公認会計士の転職
更新日:2023/01/13
公開日:2023/01/13
コンサルティングファームとは、企業が抱える問題の改善や解決方法を提案し、企業の経営状況をよくしていくために日々奮闘している企業です。年収が非常に高く、外資系や大手コンサルティングファームに転職できれば、年収1,000万円以上を目指すこともでき、自身のキャリアとしても強力なアピールポイントにできます。
その一方で、コンサルティングの認知度も高まっており、コンサルティングを取り入れる企業も増えているともあり、転職による中途採用でもコンサルティングファームへの入社が増えています。
こちらの記事では、コンサルティングファームの転職について、転職するメリット・デメリットや転職を成功させるポイントについてご紹介します。
目次
まず、コンサルティングファームとはどのようなものか。冒頭でもお伝えしたように、コンサルティングファームとは、企業が抱える問題の改善や解決方法を提案し、企業の経営状況をよくしていくために日々奮闘している企業です。そこで働く人がコンサルタント達になります。
コンサルティングファームのタイプによっても、求められる人物像やスキルなども若干違ってきますので、転職を決める前にどのようなコンサルティングファームがあるのかを知っておきましょう。
コンサルを受ける際、人材育成や経営、IT分野など、部分的に引き受けることも多いのですが、総合系ファームでは、企画・戦略からシステムの構築、人材、マーケティングなど幅広くコンサルタントを引き受けます。
総合系ファームには次のような会社があります。
戦略系ファームは、主に経営における課題を見つけ出し改善方法をコンサルティングしていく企業です。事業計画、人事計画、新規事業の立ち上げなどを得意としていますが、さらに計画通りに経営が進んでいるかを確認するために、実行フェーズを支援することもあります。
戦略系ファームには次のような大手企業があります。
シンクタンク系ファームは、研究所の側面ももったコンサルティングファームです。膨大な量のデータを取り、企業や官公庁などをクライアントにして、データに基づいたコンサルティングを行います。
シンクタンク系ファームには次の会社が挙げられます。
IT系ファームは、ITを用いてシステム構築や課題改善を行うコンサルティングファームです。IT系ファームには次の企業が挙げられます。
こちらでは、コンサルティングファームに転職するメリットをご紹介します。
年収の高さはコンサルティングファームの大きな魅力です。コンサルティングファームの平均年収は600万円(参考:アクシスコンサルティング)で、正社員全体の平均年収約400万円に比べると3割増しになります。
特に入社後の業績に応じて年収も上がりやすいことが特徴で、役職もきちんと分けられており、役職が上がればそれだけ年収も上げやすく、業績に応じて賞与が変動する場合もあります。
上記でご紹介したような大手や外資系コンサルティングファームに転職できれば、年収1,000万円以上も十分に狙えるようになるでしょう。
後述しますが、コンサルティングファームに転職することは非常に難しいのですが、裏を返せばコンサルティングファームで働いていたことが大きなキャリアにすることができ、働く上で様々な選択肢を広げてくれるようになるでしょう。
例えば、独立やベンチャー企業の立ち上げメンバーになって、その後は自分のペースで働いていったり、ファンドや銀行などへの転職もしやすくなってきたりします。
また、日々の業務では学びや試行錯誤の連続で、最新テクノロジーや成功するビジネスモデルなどを肌で感じながら働くことができます。
その一方で、コンサルティングファームで働く上で大変な部分もあります。「給料が良いから」「」「キャリアとして良いから」などという安易な気持ちだけで転職してしまわないように気をつけましょう。
コンサルティングファームに転職するには非常に難易度が高いことが事実です。いわゆるエリートサラリーマンとも呼べる職業にもなれるコンサルティングファームですが、応募の段階で多くの方が弾かれてしまうことも予想されるでしょう。
まず、学歴である程度のフィルターをかけている企業もあり、旧帝国大、地方国立大、GMARCH、早慶上理などの大学出身でないと書類選考に通らないこともあり得ます。
職務経歴も、有名企業に在籍していただけでは不十分で、大きく業績を上げたり、過去最高の売り上げを出したりしたような強いアピールポイントや、専門的なスキル・資格がないと採用されないことも多いです。
コンサルティングファームに入社できたとしても、働く上で大変に思うことは多いです。
まずは、激務であること。日中はクライアント企業との打ち合わせに時間がかかりますし、クライアントに提出する資料作成の時間もかかります。また、案件ごとに必要知識が違うため、知識をインプットする時間も多く要します。
大手コンサルティングファームでも、平均残業時間が30〜40時間以上が当たり前。多いところや繁忙期には残業80時間を超えてくるでしょう。
また、年収が高い分、年俸制や高度プロフェッショナル制度、裁量労働制などを取り入れており、残業すれば給料が上がるというわけでもない会社が多いので、常に結果を出さなくてはなりません。
仕事量だけではなく、結果も求められるのがコンサルタントです。
クライアントの企業は高い費用を払ってコンサルティングを受けているのですから、それだけ高い結果を求められることになります。そのことをプレッシャーに感じてコンサルタントが辛いと感じる人も出てきてしまうでしょう。
また、外資系のコンサルティングファームも多いため、結果がでない人に対しては、降格や解雇などが簡単に行われてしまいがちです。
結果を出し続けられれば、年収1,000〜2,000万円を得られる仕事でもありますが、結果がでななければついていくことができない、勝つか負けるかの職業とも言えます。
こちらでは、コンサルティングファームに転職する際に求められるスキルをご紹介します。
多くの職業に求められるコミュニケーション能力ですが、コンサルティングファームへの転職でも必要不可欠です。
コンサルティングではクライアント企業とミーティングを重ね、第一にクライアント企業の問題点や改善点を聞き出します。コミュニケーション能力が不足していれば、悩み等を十分に聞き出せずに、スタート段階で情報が不十分になってしまうでしょう。
その後、分析して改善案を出していきますが、その内容をクライアントに伝える際にも、コミュニケーション能力が不足していることによって、伝えたいことが十分に伝わらずに結果がでないような事態にもなりかねません。
コンサルティングをするにあたって、コミュニケーション能力は必要不可欠です。
コンサルタントには論理的な思考能力も必要とされます。感情や印象だけで改善案などを出しても、クライアントが納得してくれないでしょうし、結果もバラバラになってしまいます。
出てきた問題に対して情報・データを集め、そのデータをもとにどこをどのように変えれば、どの程度の改善が見られるなどの、より具体的で論理的な考え方の癖がついていないと、日々の業務に付いていくことも苦労してしまうでしょう。
コンサルティングファームに転職するには、次のような資格を持っていると有利になります。
コンサルタントにとって英語力は必要不可欠になっており、今後も需要は高まっていくでしょう。まず、外資系コンサルティングファームでは、社内で英語でやり取りをしている場合もありますので、そもそも一定数の英語ができないと入社できないケースもあります。
また、クライアントに外資系企業があれば、ミーティング等で英語を使うシーンが出てきます。今後は、少子高齢化によって日本国内企業だけのクライアントだけでは案件として不足してしまうことも予想されます。そうなった時に外国企業をクライアントに持つことも増えてくるでしょうが、英語力がないことには対応することができなくなってしまいます。
コンサルタントと公認会計士・税理士などのお金のプロは親和性が高い職業です。
極論を言えば、コンサルタントが成し遂げたいことは「いかにしてクライアント企業を儲けさせるか?」です。会計の知識があることで、資金の流れから無駄なコストを見つけ出すこともできるようになります。
税務の知識も役立つシーンが多く、例えば企業再生を目的としたコンサルティングで力を発揮できる場面があるでしょう。
これからコンサルティングファームに転職しようと考えている方は、今までにコンサルタントとしての経験を持たない方も多いことでしょう。
ここまでお伝えした内容で、難易度も高いから未経験では無理なのでは?と考えてしまっている方も出てきてしまっているかもしれません。
未経験からのコンサルティングファーム転職は可能なのでしょうか?
コンサルティングファームが新卒を中心に採用しているかというとそうではなく、中途採用で成り立っている会社も多いです。
コンサルティングファームで働く上で何より重要視されるポイントが「優秀で結果を出せる人物」であって、若くして実績を持っている人や40〜50代の経験・実績豊富な人が転職市場に現れたのであれば、積極的にオファーや採用がされます。
また、コンサルタントの認知・需要が高まる一方で、激務などから離職してしまうコンサルタントもいるため、人手不足に陥っているコンサルティングファームもあり、未経験の方であってもポテンシャルを感じてもらえれば採用に至ることもあるでしょう。
ただし、未経験でコンサルティングファームに転職するようであれば、若さがが1つの採用基準となり、40代以降になると未経験での採用が厳しくなります。
若さがあればポテンシャルを発揮してコンサルタントとして適正を見せる可能性がありますし、体力も十分にある年齢なので、コンサルタントとしての激務にも踏ん張りながら付いていくこともできるでしょう。
最後に、これからコンサルティングファームへの転職を考えている方に、おすすめできる転職エージェントをご紹介します。
コンサルティングファームへの転職は、年収600万円以上を目指せる求人が多数ですので、ハイキャリア向けの転職エージェントにいくつか登録してみることをおすすめします。
【関連記事】
コンサル業界への転職に人気の転職エージェントおすすめ9社徹底比較|転職成功のポイントまで
BEETAGENTは、管理部門特化型の転職サイトです。社外取締役マッチングサービス『EXE(エグゼ)』など、IPO準備中企業との取引も豊富で、関連した内部監査求人情報なども多数取り扱いがあります。
求人は原則非公開ですが、プライム市場上場企業やCM 等で名前が知られるエンタープライズ企業、IPO準備段階のベンチャースタートアップなどが紹介先に挙げられます。
コンサルティングファームの求人に特化しているわけではありませんが、CFO、CLO、経営企画といった求人も保有しているため、結果的にハイクラス転職・キャリアアップを実現できる可能性は高いでしょう。
公式サイト:https://beet-agent.com
転職支援サービス大手のビスリーチが運営する転職支援エージェントです。コンサルタントの転職に特化したサービスではないものの、年収600万円以上の転職者からの満足度NO.1を誇っている、ハイキャリア向けの部門を設置しています。
他の転職エージェントとの大きな違いが、ヘッドハンターからのスカウトを通じて転職先を選べるシステムになっている点です。
スカウトメールをこまめにチェックして返信することが求められますが、積極的に転職活動をしたい方にピッタリの転職エージェントでしょう。
また、キャリアアドバイザーのひとりひとりが専門知識や経験を豊富に持っており、業界や企業についての幅広い情報提供を受けることができます。
公式サイト:https://www.bizreach.jp/
リクルートが運営するハイクラス・コンサルタントに特化したサービスで、コンサルティングファームや外資系企業の転職支援に定評がある転職エージェントです。
コンサルティングファーム専門のチーム編成ではありませんが、高年収、ハイクラス経営層を相手にする優秀なヘッドハンターを600名備えており、キャリアアップを狙える案件を多数あっ旋してもらえます。
自分のキャリアを活かしながら更なる大幅な年収アップを目指す方や、将来的に経営層を目指せる会社を狙っている方は、必ず登録しておきたいエージェントです。
公式サイト:https://directscout.recruit.co.jp/
人材サービスの大手のパーソルキャリアが運営する『doda X』は、希少性と年収が高い非公開求人に力を入れている転職エージェントです。
パーソルキャリアの取引実績から得たハイクラス求人が多数掲載されており、事業責任者やマネージャーといったリーダー職、管理職の求人掲載が多いことが特徴です。登録後は専属のヘッドハンターからのスカウトを待つのみのシステムなので、ほかの転職エージェントと併用する使い方がおすすめです。
公式サイト:https://doda-x.jp/
ムービンストラテジックキャリア(通称ムービン)は、国内初のコンサル業界専門の転職エージェントで、コンサルティングファームへの転職を目指すなら登録しておいて損はありません。
ムービンが他の転職エージェントに比べて優れているのは、転職支援の実績とサービスの質の高さです。
2014年にリクナビNEXTの転職エージェントランキングで総合満足度NO.1、ビズリーチ主催のヘッドハンターサミットで所属アドバイザーがMVPに選ばれています。
20年以上にわたる転職支援で蓄積された転職ノウハウや業界知識を生かして、転職希望者を徹底的にサポートしてくれます。また、独自のケーススタディやファーム別の履歴書・面接対策など、コンサルタントへの転職に役立つ知識提供も充実しています。
コンサルティングファームからの信頼も厚いため、総合系・戦略系・IT系といった領域を問わず、幅広いコンサルティングファームの求人が集まっています。
公式サイト:https://www.movin.co.jp/
30代以下の方であれば未経験でもコンサルティングファームへの転職が目指せるでしょう。しかし、高い能力を求められていますので、これまでの職歴や学歴、資格など強くアピールできる部分を多く持っていなくてはなりません。
また、仕事も激務で常に結果を求められるプレッシャーもあります。その分、高い年収と結果を出せた場合の昇格などが可能な、結果が全ての分かりやすい業界です。
コンサルティングファームに転職を考えている方は、ハイクラス向けの転職エージェントにいくつか登録し、キャリアや資格等を漏れなく記載して、企業やヘッドハンターからのオファーを待ちつつ、積極的な転職活動と情報収集をしていってください。
edit_note この記事を書いた人
一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
Related Article関連記事