公認会計士の転職
更新日:2026/02/28
公開日:2026/02/28
USCPA(米国公認会計士)の合格後に何をすべきか迷ってしまう方は少なくありません。USCPA予備校のサポートは合格までがメインであるため、合格した途端に次のアクションが見えなくなるケースが多いのです。
実は、USCPA合格後にやるべきことはライセンスの取得だけではありません。合格証明書の入手、ライセンス申請、転職活動の準備、英語力のさらなる強化、次の資格・学位の取得など、合格後のアクション次第でキャリアの広がり方が大きく変わります。
この記事では、USCPA合格後にやるべきことを7つのステップに整理し、それぞれのポイントを具体的に解説します。合格後のロードマップとして、ぜひ活用してください。
目次
USCPA全科目合格後にやるべきことは、以下の7つのステップに整理できます。すべてを同時に進める必要はなく、自分の状況や優先度に応じて順番にこなしていけば問題ありません。まずは全体像を把握しておきましょう。
特に優先度が高いのは、ステップ2の合格証明書の取得とステップ3のライセンス申請、そしてステップ4の転職活動です。これらは時間的な制約がある場合もあるため、合格後できるだけ早く着手することをおすすめします。以下、各ステップを詳しく解説していきます。
意外と見落とされがちですが、合格後にまず行いたいのが、学習期間中にお世話になった方々への報告とお礼です。
USCPAの学習期間は1年〜2年以上に及ぶことが一般的です。その間、家族や友人、職場の上司や同僚など、多くの方のサポートがあったはずです。合格を報告し感謝を伝えることは、人間関係を良好に保つうえでも大切なことです。
また、合格の報告はSNSやLinkedInで行うのも効果的です。USCPA合格をオープンにすることで、思わぬキャリアチャンスにつながる可能性があります。転職エージェントや企業の採用担当者がLinkedIn経由でアプローチしてくるケースも珍しくありません。
USCPA全科目合格後、まず確認しておきたいのが合格証明書の取得です。転職活動やライセンス申請の際に必要になる場合があります。
合格証明書は正式にはSuccessful Candidate Letter(旧称Congratulatory Letter)と呼ばれ、USCPA試験の全科目に合格したことを証明する書類です。NASBAが発行しており、転職活動の際にBIG4監査法人などから提出を求められるケースがあります。
ただし、すべての転職先で必須というわけではありません。CPA Verifyというオンラインツールで合格状況を確認できるため、合格証明書がなくても問題ないケースもあります。転職活動を予定している方は、念のため取得しておくのが安心です。
合格証明書は、NASBA Storeから申請して取得します。費用は25ドル程度で、申請後に郵送またはメールで届きます。以前はNASBAから自動的に送付されていましたが、現在は自分で申請する必要がある点に注意してください。
申請時には、Comments欄にメール送付を希望する旨と送付先のメールアドレスを記載しておくと、データでの受け取りが可能です。原本の郵送を希望する場合は、International Shippingを選択する必要があります。
【参考】NASBA Store
USCPA全科目合格とライセンス取得は別物です。合格しただけではUSCPAのライセンスは付与されないため、正式にUSCPAを名乗りたい場合はライセンスの取得手続きが必要です。
ライセンスを取得すべきかどうかは、自分のキャリアプランによって異なります。ライセンスを取得するメリットとしては、名刺やLinkedInにUSCPA(Licensed)と記載できること、転職市場での評価が高まること、CPE(継続教育)を通じて最新の知識をアップデートし続けられることなどが挙げられます。
一方で、ライセンスの維持にはCPE(継続的専門研修)の受講や更新費用が必要です。すぐに転職を予定していない場合や、ライセンスの維持コストを考慮する場合は、まず合格者のステータスでキャリアを進め、必要になったタイミングでライセンスを取得するという判断もあり得ます。
USCPAライセンスは州ごとに取得要件が異なります。日本在住者にとってライセンスが取得しやすいのは、ワシントン州とグアムの2つです。
| 州 | 特徴 |
|---|---|
| ワシントン州 | 監査法人以外の実務経験(事業会社の経理など)でもライセンス取得可能。日本企業での実務経験が認められやすい |
| グアム | 実務経験がなくてもInactiveライセンスを取得可能。USCPAと名乗ることができる |
ワシントン州は、1年以上かつ2,000時間以上の実務経験が必要ですが、監査以外の会計関連業務でも認められるため、事業会社の経理経験がある方にとっては取得しやすい州です。グアムは実務経験がない方でもInactiveライセンスを取得できるため、合格直後にUSCPAの肩書きを得たい方に適しています。
ライセンスの取得手続きは州によって異なりますが、一般的に以下の要素が求められます。
AICPAのEthics Examは、オンラインで受験可能な倫理に関する試験で、90問の選択式問題に回答します。合格ラインは正答率90%ですが、テキストを参照しながら受験できるため、しっかり準備すれば十分合格可能です。
USCPA合格後のキャリアを考えるうえで、転職エージェントへの登録は転職を予定している方はもちろん、現職にとどまる方にとっても有益なアクションです。
転職エージェントに登録する最大のメリットは、自分の市場価値を客観的に把握できることです。USCPA合格者に対してどのような求人があるのか、自分の経歴であればどの程度の年収が見込めるのかを知ることで、現職にとどまるか転職するかの判断材料が増えます。
また、USCPA合格直後は求人市場での注目度が高いタイミングです。合格から時間が経つと、合格の新鮮さが薄れるだけでなく、英語力や会計知識の鮮度も問われるようになります。転職を検討しているのであれば、合格後できるだけ早く行動を始めることが重要です。
USCPA合格者の転職先は多岐にわたります。自分のキャリアの方向性と照らし合わせながら、最適なファーストキャリアを検討しましょう。
| 転職先 | 特徴 | 年収目安(スタッフ) |
|---|---|---|
| BIG4監査法人(監査部門) | 最も人気が高く、その後のキャリアの汎用性も高い。グローバル案件が多い | 500万〜650万円 |
| BIG4監査法人(アドバイザリー部門) | M&Aやクロスボーダー案件に関与。年収・汎用性ともに高いが競争も激しい | 500万〜700万円 |
| 準大手・中小監査法人 | BIG4に比べて採用基準が柔軟。幅広い業務経験を積めることも | 400万〜550万円 |
| 上場企業の経理・財務 | 有報作成やJ-SOX対応など上場企業ならではの経験が積める。ワークライフバランスを重視する方にも | 400万〜600万円 |
| 税理士法人・会計事務所 | 国際税務や移転価格税制など、USCPAの知識を直接活かせるポジションがある | 400万〜600万円 |
| コンサルティングファーム・FAS | M&Aアドバイザリー、デューデリジェンス、事業再生など専門性の高い業務 | 500万〜700万円 |
ファーストキャリアの選択はその後のキャリア全体に影響するため、慎重に検討することが大切です。迷った場合は、会計士・USCPAに特化した転職エージェントに相談することで、自分の経歴に合った最適な選択肢を見つけやすくなります。
Hi-Standard会計士は、公認会計士・USCPAに特化した転職エージェントサービスです。USCPA合格後のキャリア形成に精通したコンサルタントが、BIG4を含む監査法人、コンサルティングファーム、事業会社など幅広い選択肢のなかから、一人ひとりに合った求人を紹介します。合格直後の方はもちろん、転職するかどうか迷っている段階での相談にも対応しています。
無理な転職は勧めません。年収の適正診断や、今の環境に残るべきかの判断から、業界特化のプロが徹底サポートします。
転職だけがUSCPA合格後のキャリアの活かし方ではありません。現職にとどまりながら、USCPAの知識を活かした副業で収入を増やすという選択肢もあります。
USCPA合格者には、会計・英語・ビジネスの知識を活かせる副業のフィールドが数多くあります。たとえば、USCPA受験生向けの家庭教師やメンター、会計関連の翻訳業務、経理・財務のフリーランスコンサルティング、USCPA関連のブログやコンテンツ制作などが代表的です。
特にUSCPA受験生向けの学習サポートは、自分の合格経験をそのまま価値に変換できるため、合格直後から取り組みやすい副業のひとつです。また、会計知識と英語力を組み合わせた翻訳業務は、専門性が求められるぶん単価が高い傾向にあります。
USCPA合格者には一定の英語力がありますが、合格後も英語力の強化を続けることで、キャリアの選択肢はさらに広がります。
転職市場において、英語力を客観的に示す指標としてTOEICスコアは依然として広く活用されています。USCPA合格者であればTOEIC800点台は十分に到達可能ですが、BIG4監査法人や外資系企業での評価をさらに高めるためには、TOEIC900点以上を目指すことをおすすめします。
USCPA試験でリーディング力は鍛えられていますが、TOEICはリスニングの比重も大きいため、リスニング対策に重点を置いた学習が効率的です。シャドーイングなどのトレーニングを日常に取り入れることで、リスニングスコアの向上が見込めます。
USCPA試験では英語のリーディング力が主に問われますが、実際の業務では英語での会議やクライアント対応など、スピーキング力も求められます。特にBIG4監査法人の海外案件やグローバル企業での業務では、英語でのコミュニケーション能力が業務パフォーマンスに直結します。
オンライン英会話サービスを活用して、ビジネス英語のスピーキング力を継続的に鍛えておくと、入社後の業務にスムーズに対応できるだけでなく、面接での英語力アピールにもつながります。
USCPAの合格はゴールではなく、キャリアのスタートラインです。さらなる専門性やキャリアの幅を広げるために、次の資格や学位の取得を検討する価値があります。
USCPA試験はUSGAAP(米国会計基準)がベースですが、グローバルに活躍するためにはIFRS(国際会計基準)の知識も求められます。BIG4監査法人ではIFRS適用企業のクライアントが増えており、USGAAPとIFRSの両方を理解している人材は高く評価されます。
IFRS検定はIFRSの知識を体系的に証明する資格で、USCPA合格者であれば効率的に合格を目指せます。USGAAPとの差異を学ぶことで、会計知識の幅が大きく広がるでしょう。
内部監査の専門資格であるCIAは、USCPAとの親和性が高い資格です。監査法人での外部監査経験にCIAの内部監査スキルを掛け合わせることで、キャリアの独自性を高めることができます。内部監査部門への転職や、コンプライアンス・リスク管理の領域でのキャリアアップに有利に働きます。
USCPA合格者はACCAの一部科目が免除されるため、比較的少ない追加学習でACCAの資格取得を目指せます。ACCAはIFRSベースの資格であり、ヨーロッパやアジアなどIFRSが主流の地域での評価が非常に高いです。海外でのキャリアを視野に入れている方には有力な選択肢です。
USCPAの専門知識に加えて、経営全般の知識を体系的に身につけたい方にはMBAの取得が選択肢になります。オンラインで取得可能なMBAプログラムも増えており、働きながら学位を取得することも現実的になっています。会計のスペシャリストからビジネスのゼネラリストへとキャリアの幅を広げたい方に適しています。
ステップ1〜7を踏まえたうえで、USCPA合格後のキャリア全体をどのように設計するかという視点も重要です。
USCPA合格後は転職ムードに引き込まれがちですが、必ずしも転職が最善の選択とは限りません。現職でUSCPAの知識を活かせるポジションがある場合や、社内でのキャリアアップ(昇進・異動・海外駐在など)が見込める場合は、現職にとどまることも合理的な判断です。
判断のポイントとしては、現職でUSCPAの資格が評価される環境かどうか、今後のキャリアパスとして自分が望む方向に進めるかどうか、年収やワークライフバランスの改善が見込めるかどうかを検討するとよいでしょう。
USCPAは米国の資格であるため、米国をはじめとする海外でのキャリアにも活用できます。監査法人に就職して海外駐在を目指すルート、日系企業のグローバルポジションに転職するルート、海外の現地法人に直接応募するルートなど、海外で働くためのアプローチは複数存在します。
特にBIG4監査法人に入社した場合、4年程度の監査経験を積んだ後に海外駐在の機会が得られるケースがあります。海外志向の方は、ファーストキャリアとしてグローバルファームに属する監査法人を選ぶことで、将来の海外駐在の可能性を高めることができます。
USCPAは独占業務こそ日本にはありませんが、会計・税務・コンサルティングの知識と英語力を活かして独立・開業するUSCPA保有者も存在します。特に、海外進出支援コンサルティングや、外資系企業向けの会計・税務サービスなど、USCPAならではの専門性を活かしたサービスは需要があります。
独立を視野に入れる場合は、まず監査法人やコンサルティングファームで実務経験と人脈を築き、その後独立するというステップを踏むのが現実的です。
無理な転職は勧めません。年収の適正診断や、今の環境に残るべきかの判断から、業界特化のプロが徹底サポートします。
USCPA合格後に多く寄せられる質問にまとめてお答えします。
すぐに取得する必要はありませんが、全科目合格から3年以内を目安にライセンス取得を検討するのが一般的です。グアム州のInactiveライセンスであれば実務経験なしでも取得可能なため、合格直後にUSCPAの肩書きを得たい場合は早めに手続きを進めるとよいでしょう。
すべての転職先で必須というわけではありません。CPA Verifyで合格状況をオンラインで確認できるため、合格証明書の提出を求められないケースもあります。ただし、BIG4監査法人では提出を求められる可能性があるため、転職を予定している方は念のため取得しておくことをおすすめします。
USCPA試験の学習で身についた英語力は、使わなければ徐々に衰えていきます。合格後もTOEICの受験や英会話の継続を通じて、英語力を維持・向上させる努力を続けることが大切です。特に転職面接で英語力を問われるケースがあるため、合格後も学習を中断しないことをおすすめします。
できるだけ早く始めることをおすすめします。USCPA合格直後は転職市場での注目度が最も高いタイミングであり、時間が経つにつれて合格の新鮮さが薄れていきます。転職するかどうか迷っている段階であっても、まずは転職エージェントに登録して情報収集から始めると、判断材料が増えて意思決定がしやすくなります。
キャリアの方向性によって異なりますが、汎用性の高さで選ぶならIFRS検定がおすすめです。BIG4監査法人や外資系企業でIFRSの知識が求められる場面は多く、USGAAPとIFRSの両方を理解している人材は市場価値が高まります。内部監査の領域に興味がある方はCIA、英国やアジアでのキャリアを考えている方はACCAが有力な選択肢です。
USCPA全科目合格は大きな達成ですが、合格後のアクション次第でその価値を最大化できるかどうかが決まります。この記事で解説した7つのステップを改めて振り返りましょう。
なかでも、合格後のキャリア設計は最も重要な意思決定です。BIG4監査法人、コンサルティングファーム、事業会社、税理士法人など、USCPA合格者の選択肢は幅広く、ファーストキャリアの選択がその後のキャリア全体に大きな影響を与えます。
自分一人で判断するのが難しい場合は、USCPA・公認会計士に特化した転職エージェントに相談するのが最も効率的です。Hi-Standard会計士では、USCPA合格者のキャリア形成を数多くサポートしてきた実績があります。合格後の次のステップを一緒に考えたい方は、まずは無料登録から始めてみてください。
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edit_note この記事を書いた人

一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
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