税理士の転職
更新日:2026.02.09
公開日:2026.02.09
「税理士になれば年収1,000万円は確実」と言われたのは昔の話。現在の税理士業界は、働き方や専門領域によって年収に大きな開きが出る「格差社会」となっています。
「科目合格したけれど、今の年収は妥当?」「1,000万円の壁を突破するには、どんなキャリアを歩めばいい?」と疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、プロの転職エージェントの視点から、最新の統計データに基づく税理士のリアルな年収相場を徹底解説。勤務先パターン別の年収比較から、科目合格数による評価の変化、そして高年収を勝ち取るための具体的な戦略まで、あなたの市場価値を最大化するためのヒントを凝縮してお伝えします。
私はこれまで、通信、メーカー、商社など複数の業界を経験し、飲食業での独立・経営も歩んでまいりました。
この多様なバックグラウンドを活かし、単なる求人紹介に留まらない、事業構造や経営的視点を踏まえたキャリアコンサルティングを強みとしております。
転職活動においては、時に視野が限定的になってしまうケースも少なくありません。
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これまでの実務経験に基づき、新しい環境への挑戦を確かな実績へと繋げるためのパートナーとして、誠心誠意サポートさせていただきます。
目次
税理士の平均年収は、調査機関や統計の取り方によって異なりますが、一般的には700万円から950万円程度とされています。しかし、この「平均」という数字には注意が必要です。実は一部の高額所得者が数値を押し上げているため、平均値だけを見て判断すると実態を見誤る可能性があるのです。
最新の調査結果をまとめると、以下のようなデータが並びます。
このように数値に幅があるのは、「勤務税理士」か「独立開業」かという働き方の違いに加え、勤務先の規模や専門領域、経験年数が大きく影響しているためです。
統計上の「平均」を読み解く際は、その特性を理解しておきましょう。
平均値: 全員の年収を合計して人数で割ったもの。一部の億単位を稼ぐような成功者がいると、全体の数値が大きく跳ね上がります。
中央値: 年収順に並べた際、ちょうど真ん中に位置する人の数値。極端な高額所得者の影響を受けにくいため、より「一般的・現実的」な実感に近い指標となります。
ある調査データでは、平均年収が約884万円であるのに対し、中央値は300万円台から400万円台という結果も出ています。これは、独立直後の個人事務所や小規模事務所に勤める層が多く存在する一方で、一部のトップ層が平均を大きく引き上げている構造になっていると考えられます。
税理士の「平均年収」は確かに高い水準にありますが、その内訳は非常に多様です。 「税理士になれば自動的に高年収が得られる」わけではなく、「どのようなキャリアを歩み、どの市場で戦うか」によって、手にする年収には数倍の開きが出るのがこの業界のリアルな姿です。
世界的なネットワークを持つ大手法人です。グローバル企業の案件や高度な組織再編など、専門性の高い業務に携わることができます。給与水準は業界トップクラスです。
地元の経営者に寄り添い、会計から税務、経営相談まで幅広く対応します。アットホームな環境が多く、地域経済を支えるやりがいを直接感じられるのが魅力です。
勤務税理士: 300万~800万円程度
初年度は比較的緩やかなスタートとなりますが、実務経験を積み、所長の信頼を得て幹部候補(シニアクラス)になれば、1,000万円近くに達するケースもあります。
自らが経営者となり、すべての裁量を持って働きます。集客や実務、事務所運営のすべてを担いますが、成功した際のリターンは「青天井」なのが魅力です。
年収目安: 1,000万~3,000万円以上
相続税特化やM&A、コンサルティングなど、高単価な専門分野を持つことで、数千万円から数億円の売上をあげる成功者も存在します。
事業会社の財務部や経理部などで、自社の税務戦略や申告を専門に行います。組織の一員として安定した雇用環境で働けるほか、大手上場企業では福利厚生も充実しています。
年収目安: 500万~1,000万円程度
一般的な会社員の給与体系に準じますが、管理職や役員クラスへの昇進、あるいは外資系企業への転職により、1,200万円を超える年収を目指すことも十分に可能です。
税理士試験の科目合格者は、その科目の専門知識を習得していると客観的に証明されているため、転職市場でも非常に高く評価されます。税理士資格は難易度が高いからこそ、たとえ数科目の合格であっても、採用側にとっては「即戦力」や「継続的な努力ができる人材」というポジティブな判断材料になるのです。
科目合格者の年収は、合格数や実務経験によって変動しますが、一般的には合格数が増えるごとに着実にベースアップしていく傾向にあります。
年収相場の目安として厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、税理士全体の平均年収は約856万円です。科目合格者のステージごとの詳細な目安を見てみましょう。
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科目数 |
年収相場 |
評価 |
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1〜3科目合格 |
360万〜390万円前後 |
実務経験を積むことで、さらなる上積みが期待できる段階です。 |
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4科目合格 |
450万円前後 |
官報合格(5科目)まであと一歩という評価になり、年収も大きく上昇します。 |
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5科目合格(登録後) |
550万〜1,200万円以上 |
税理士登録後は独占業務が可能となり、大幅なキャリアアップが見込めます。 |
科目数が増えるごとに平均年収が上がっていきます。ただし、経験年数や勤務するエリア、規模により給与相場は異なります。
結論として、科目合格は年収アップに直結する重要な要素であり、特に数が多いほど、また難易度の高い科目を取得しているほど、転職市場での評価と年収が向上します。
無理な転職は勧めません。年収の適正診断や、今の事務所に残るべきかの判断から、業界特化のプロが徹底サポートします。
税理士試験の合格科目は、増えるごとに「専門知識」と「継続的な努力」の証明となり、評価・待遇ともに大きくステップアップします。ここでは、合格数に応じた市場価値の変化を解説します。
まずは税理士を目指す「スタートライン」に立ったと見なされます。特に会計科目である「簿記論」「財務諸表論」の2科目は必須のため、これらを取得していることで、会計・税務の基礎が備わっていると評価されます。
この段階では、実務経験が重視される傾向にあります。未経験からの転職も十分に可能ですが、初年度の年収は比較的控えめな水準からスタートすることが一般的です。まずは実務を学びながら、次の科目合格を目指す時期と言えるでしょう。
3科目を超えると、税理士としての覚悟と専門性が本物であると高く評価されます。特に難関の「法人税法」や「所得税法」といった主要税法を含んでいる場合、即戦力候補としての期待値は一気に高まります。
年収は300万円台後半から500万円程度がボリュームゾーンとなり、科目手当の増額も期待できます。より条件の良い会計事務所や、大手税理士法人へのステップアップ転職も現実的になる、非常に有利な段階です。
全ての試験を自力でクリアしたことは、圧倒的な専門性と強靭な精神力の証明です。あらゆる事務所や企業から最高ランクの評価を受けやすく、将来の幹部候補として迎えられるケースも多くなります。
大学院で学位を取得し、科目免除を受けるルートです。かつては試験組(官報合格)と比較されることもありましたが、現在は「実務能力と経験が伴えば、評価に大きな差はない」とする事務所が大半です。むしろ早期に登録を済ませて実務に注力できる点は、大きな強みとなるでしょう。
税理士として年収1,000万円の大台に乗せるためには、単なる計算業務の積み重ねではなく、高い付加価値を提供するための「戦略的なキャリア選択」が欠かせません。ここでは、1,000万円以上を狙うための具体的なアプローチを3つご紹介します。
一般的な税務顧問だけでなく、高度な専門知識が必要とされる領域に特化することで、市場価値を飛躍的に高めることが可能です。
企業のグローバル化に伴い、移転価格税制などの複雑な知識が求められています。Big4などの大手法人で経験を積むことが、高年収への近道となります。
企業の成長や事業承継に不可欠な税務デューデリジェンス(DD)やスキーム構築は非常に需要が高く、FAS(コンサルティング会社)への転職も有力な選択肢です。
富裕層向けの相続税対策や事業承継コンサルティングは、常に高い報酬水準を維持しています。
IT・スタートアップ、医療法人、公益法人など、特有の会計基準を持つ業界のスペシャリストになることで、代替不可能な存在を目指せます。
多くの税理士事務所では、個人の実績が直接給与に反映される「インセンティブ(報奨金)」制度を導入しています。自らの努力を年収に直結させるためには、以下の要素も重要です。
自ら営業活動を行い獲得した顧問契約に対し、売上の一部が還元される仕組みを活かす方法です。
相続税申告やM&A関連など、単発で発生する高額案件を担当することで、多額のインセンティブが期待できます。
当然ながら、個人やチームの目標達成度に応じたボーナスが支給される場合は、年収を大きく押し上げる要因となります。
非財務的な貢献度が昇給や賞与に反映される事務所もあり、リピートや紹介を生む力が評価に繋がることもあります。
インセンティブ制度は事務所ごとに条件が異なり、実は「制度はあっても、実際に支給されるのはほんの一部の方だけ」というケースも少なくありません。単に制度の有無を見るのではなく、具体的な支給基準や達成者の割合といった「実態」を正しく把握することが、着実な年収アップへの近道です。
とはいえ、事務所側には直接聞きにくい内容ですよね。こうしたデリケートな内情の確認こそ、私どもエージェントをぜひ頼ってください!
組織再編やM&Aといった難易度の高い案件に携わることも、年収アップを目指すうえで武器になります。
そもそも難易度の高い案件は報酬も高単価専門性が極めて高いバリュエーション(企業価値算定)などは、一般的な顧問料とは比較にならないほどの高額報酬が見込めます。
中小企業のM&Aニーズが急増している今、組織再編やM&A特殊案件などの知識は、他の税理士との差別化要因として活かせます。
税務だけでなく法務・経営戦略まで俯瞰する視点が養われ、経営者に寄り添うパートナーとしての地位を確立できます。
まずは中小規模の事業承継案件などから実績を積み、成功事例を重ねることで、より大規模な案件へとステップアップしていくのが理想的です。
「今の環境ではチャンスがないな…」「もっと専門性を磨ける場所へステップアップしたい!」と感じたら、いつでも相談してくださいね。あなたに最適なキャリアプランを一緒に考えていきましょう!
無理な転職は勧めません。年収の適正診断や、今の事務所に残るべきかの判断から、業界特化のプロが徹底サポートします。
結論から申し上げますと、税理士の年収には明確な地域格差が存在します。主な要因は、そのエリアに存在する企業の規模や、求められる税務ニーズの専門性の違いです。
一般的に、大企業の本社が集まる都市部ほど年収は高く、中小企業や個人事業主が中心の地方圏では、年収相場は控えめになる傾向があります。
日本で最も税理士のニーズが高く、年収相場は全国平均を上回る800万円以上となるケースも珍しくありません。 「BIG4」をはじめとする大手税理士法人や、外資系企業を顧客に持つ事務所が集中しており、高度な専門性を武器に高年収を目指せる環境が整っています。
関東圏に次ぐ大都市圏であり、関東圏と変わらないほど高い需要があります。年収水準も関東に近い高水準を維持しており、製造業からサービス業まで幅広いクライアントが存在するため、安定した高待遇が期待できるエリアです。
福岡市内など一部の都市部を除き、全体としては中小企業や個人事業主の割合が高いため、年収相場は600万円前後と全国平均を下回る傾向にあります。ただし、地域密着型のコンサルティングなど、独自の付加価値を提供することで差別化を図る事務所も多く見られます。
他の地方都市と同様に、求人情報では年収500万円前後の設定も見られ、全国平均と比較すると低めの推移となります。一方で、広大な土地を活かした農業法人や観光業に特化した税務など、地域特有のニーズに応えることで安定した地位を築くことが可能です。
地域によって年収に差があるのは、残念ながら現実です。もし今のエリアで限界を感じているなら、思い切って都心の事務所へ転職したり、先ほどお話ししたような「特化業務」にシフトして単価を上げたりする戦略が必要になります。
「今の地域でどこまで年収を伸ばせるか?」「都心に出るならどんな準備が必要か?」など、お気軽にご相談ください。
結論から申し上げますと、免除制度の利用だけで年収が下がることはありません。
現代の転職市場において、採用側が最も重視するのは「試験ルート」ではなく、「実務遂行能力」と「専門知識の深さ」だからです。以下の2つのポイントを押さえておきましょう。
顧客や事務所が求めているのは、目の前の課題を解決する力です。試験合格か免除かに関わらず、正確な税務判断と実務スキルがあれば、正当に評価され報酬に反映されます。
裏を返せば、免除制度を活用して早めに税理士登録を済ませることで、若いうちから「税理士」として実務経験を積む期間を長く確保できるということです。
経験年数が年収に直結する業界であるため、これは大きなアドバンテージとなります。
高年収を得ている税理士に共通しているのは、単なる「記帳・代行業務」「顧問業務」を超えた付加価値を提供している点です。具体的には以下の6つのスキルがポイントとなります。
目まぐるしく変わる税制改正への対応はもちろん、国際税務や組織再編、M&Aといった希少性の高い分野での専門性を磨くことが、高単価な案件獲得に繋がります。
税制は毎年のように改正されるため、常に知識をアップデートしておかないと、意図せずクライアントに不利益を与えてしまうリスクがあるからです。最新の税制を熟知し、経営者に最適な節税案やリスク回避策を提案し続けられることこそが、税理士としての信頼と高い報酬を支える基盤となります。
過去の数字をまとめるだけでなく、経営計画の策定支援や節税スキームの構築、財務分析を通じたアドバイスなど、クライアントの未来を共に考えるコンサルティング力が求められています。
コミュニケーション能力顧客の潜在的な悩みを引き出し、解決策を分かりやすく伝える力も欠かせません。
将来的に独立やパートナーを目指すのであれば、新規顧客を獲得するためのマーケティング視点や営業力も大きな武器になります。
近年では、クラウド会計ツールの導入支援や、Excel等を駆使した業務効率化の提案スキルも重視されてきています。テクノロジーを活用して「生産性の高い働き方」をクライアントに提示できる税理士は、高い評価を得られるでしょう。
無理な転職は勧めません。年収の適正診断や、今の事務所に残るべきかの判断から、業界特化のプロが徹底サポートします。
税理士という資格は、一度取得すれば生涯にわたって高い専門性を武器にできる、非常に魅力的な資格です。しかし、本記事で解説してきた通り、「税理士になれば自動的に高年収が約束される」という時代は終わりを告げました。
現在の転職・キャリア市場において、年収を左右するのは資格の有無だけではありません。
このように、「資格×経験×キャリア戦略」の掛け算こそが、年収1,000万円という壁を突破し、その先の理想のキャリアを築くために必要なのです。
正直にお話しすると、私たちエージェントは魔法使いではありません。魔法のようにすぐ年収が跳ね上がる……ということは、残念ながらありません。
年収1,000万円という大きな目標を達成するには、資格はもちろん、それ相応の「努力」と、いつ何をすべきかという「綿密なキャリア計画」を立てるタイミングが何より重要だからです。
そのための「戦略」を一緒に練るのが、私の役目です。 まずはこれまでの業務経験を丁寧に棚卸しして、応募先の事務所に「この人が欲しい!」と魅力的に映るよう、あなたの強みを最大限に引き出す伴走をさせていただきます。
「Hi-Standard税理士」では、年収アップに向けた攻めの転職はもちろん、「まずは5科目合格を確実に目指したい」という方のための、試験勉強と両立しやすい環境の事務所もご紹介しています。
今の年収にモヤモヤしている方も、これから税理士として羽ばたこうとしている方も、一人で考える必要はありません。まずは気軽なキャリア相談から始めてみませんか?あなたの理想とするキャリアの実現に向けて、全力でサポートいたします。
科目合格を積み重ねている方も、すでに税理士として活躍されている方も、大切なのは「今の延長線上に理想の年収があるか?」を定期的に確認することです。もし、現在の環境でスキルの停滞や年収の伸び悩みを感じているのであれば、それは新しい領域へ挑戦すべきサインかもしれません。
税理士業界は今、大きな変革期にあります。だからこそ、戦略的にキャリアを描くことで、チャンスはいくらでも掴み取ることができます。
あなたのこれまでの努力が、最大限の報酬とやりがいとして結実することを心より応援しております。
年収の頭打ち、激務な繁忙期、古い体質の事務所への違和感。
数字を扱うプロフェッショナルだからこそ、一人で抱え込みがちなキャリアの悩みに、私たちは徹底的に伴走します。
【Hi-Standard税理士】は、単なる求人紹介ではなく「あなたの市場価値を高める」税理士特化の転職エージェントです。
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一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
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