税理士の転職
更新日:2024.12.26
公開日:2024.12.16
税理士試験は、全11科目のうち5科目に合格することで税理士資格を得られる科目合格制です。
合格した科目は生涯有効なので働きながら1科目ずつの合格を目指す方も多く、たとえ1科目の合格でも転職市場において評価される場合が少なくありません。
本記事では、税理士科目合格者に向けて、転職市場のニーズや評価の高い科目、転職先の選択肢などについて解説します。
税理士科目合格者におすすめの転職エージェント3社
サービス名 | 特徴 | 公式サイト |
---|---|---|
Hi-Standard |
税理士科目合格を活かせる事業会社の経理、CFOポジションの転職支援を得意とする転職エージェント。求職者と企業担当をアドバイザー1人が担当する一気通貫型だからこそ求人のミスマッチがない。 |
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BEET-AGENT |
経理をはじめとする、管理部門に特化した転職エージェント。ベンチャー企業から大手企業まで幅広い企業規模の経理求人を多数保有。経理に特化したコンサルタントが在籍。 |
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MS Agent |
管理部門特化の老舗転職エージェント。管理部門特化であることもあり、経理の求人が充実。希望条件にマッチする経理求人に出会うチャンスが広がる。 |
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目次
税理士科目合格者は、転職市場で高い評価を受けることができます。
税理士科目合格者は、税理士資格を有していないため、転職市場での価値が低いのではないかと考える方もいるかもしれません。
しかし、税理士試験の各科目に合格するのは難易度が高く、1科目でも合格していれば評価の対象になります。とくに税理士事務所や会計事務所、企業の経理部門を中心に、会計や税務知識をもつ人材として歓迎されています。
税理士の不足は業界全体において深刻な問題です。
とくに若手税理士が不足しており、税理士の高齢化が進んでいます。
こうした中で、税理士事務所や会計事務所では業務を遂行するための人材確保が急務となっており、税理士有資格者だけでなく科目合格者のニーズも拡大しています。
また、税務業務の高度化にともない、企業の経理部門では税務に関する専門的な知識をもつ人材を求めています。
企業の経理では無資格者も多く活躍していますが、科目合格者はこれらの経理人材よりも高度な知識が身についていることも多く、積極的な採用活動がおこなわれているのが現状です。
実務経験がなくても、税理士科目合格者であれば転職のチャンスは多く存在します。
とくに税理士事務所や会計事務所では、税理士資格取得の見込みのある人材を積極的に採用する傾向があり、チャレンジしやすいです。
企業の経理部門においても、科目合格は基礎的な知識・スキルがあることの証明となるため、未経験でも転職できる可能性があります。
税理士試験の科目合格を獲得している方にとって、その合格科目は転職活動で大きな強みとなります。
しかし、どの科目を合格しているか、また合格科目数がいくつであるかによって評価は異なり、それに応じてキャリアの選択肢も変わります
税理士試験における「簿記論」と「財務諸表論」の会計2科目は、どちらも税理士資格取得のための必修科目です。
この2科目は会計や財務に関する基礎的な知識とスキルを証明するものなので、転職市場での評価も高いです。
そのため、この科目を取得することは、転職活動においてアピールポイントとなります。
税理士試験の科目は、会計2科目と税法科目があります。
税法の中には、法人税法や所得税法、相続税法といった科目があり、法人税法と所得税法のいずれか1科目を含む3科目の合格が必要です。
税法科目についてはどの科目を選択するのかという問題がありますが、転職での評価を高めるという観点からは、働きたい業界の会計業務で使用する科目の取得を目指しましょう。
たとえば企業内の税務部門に転職を希望する場合、法人税法の合格は非常に有利に働きます。
法人税法の知識があれば自社の税務申告や節税対策を担う役割として高く評価され、即戦力として期待されるからです。
また、相続税法に合格している場合は、資産税に強い税理士事務所や相続コンサルティング会社などでの転職において大きな強みとなります。
1科目でも評価の対象となりますが、さらに評価を高めて応募先の選択肢を広げるなら3科目以上の合格があると有利です。
3科目以上の合格は専門性の深さと学習に対する取り組みの姿勢を示すものであり、企業や事務所からの評価が一層高まります。
税務や財務に関する幅広い知識をもっているとみなされ、多様なポジションに応募できるでしょう。できれば会計2科目プラス税法科目1科目以上の合格を目指したいところです。
もちろん、税理士試験の合格科目数が多いほど、転職市場における評価が高まり、結果として年収も上がりやすくなります。
合格科目が多いことは、それだけ税務や会計に対する知識が深く、幅広い業務に対応できる能力をもっていることを示すためです。
より高いポジションや役職で採用されることもあり、役職手当の分だけ年収が上がることもあります。
税理士科目合格者のキャリアにはさまざまな選択肢がありますが、とくにおすすめなのは以下の職場です。
会計事務所や税理士法人は、科目合格者のニーズがもっとも高い転職先であり、まず検討したい選択肢です。
科目合格をしていることで、クライアントの会計処理や税務申告業務を担当するための基礎知識があることを証明できます。
任される業務としては、税務申告の補助や月次・年次決算のサポートなど実務に直結する業務などです。
また、会計事務所や税理士法人では周囲に専門家がいるため税務や会計に関する専門知識を深めることができ、残りの科目合格を目指す方にとっては勉強と実務経験を並行して進められるよい環境でもあります。
事業会社の経理部門も、税理士科目合格者にとって有望な転職先のひとつです。
とくに簿記論と財務諸表論に合格している場合、会計に関する基礎的な知識が評価されて、即戦力としての活躍に期待されます。
事業会社の経理に転職すると、会計や税務にとどまらず、企業全体の経営活動を理解する経験を積むことができます。
これは、将来的に経理部門のリーダーやCFO(最高財務責任者)を目指す場合におおいに役立ちます。
また、事業会社は労働環境の安定性や福利厚生の充実といったメリットもあり、長期的なキャリア形成を考えるうえでも魅力的な選択肢でしょう。
コンサルティング会社で働くという選択肢もあります。
とくに税務や会計分野に強いコンサルティングファームでは、クライアント企業の税務戦略や経営改善をサポートする役割が求められ、税理士試験の勉強で得た知識を活かして企業の課題解決に取り組むことができます。
コンサルティング会社での業務は、クライアントに対して価値ある提案をおこなうことで問題解決力やプレゼンテーションスキルを養う機会が多くあります。
また、多様な業界のクライアントに対応することで、幅広い知識と経験を得ることができる点も大きな魅力です。
コンサルティング業務を通じて自らの専門知識を応用しながら、さらなるスキルの向上を目指すことができます。
転職先の選択は自身の将来に大きな影響を与えるため、慎重に考慮することが大切です。
科目合格者が転職先を選ぶ際には、以下のポイントの確認が欠かせません。
まず、税理士試験の完全合格を目指すかどうかは転職先を選ぶ際の重要な判断基準です。
税理士資格の取得を目指す場合、実務経験を積みながら勉強を続ける必要があるため、勉強時間を確保しやすい環境を選ぶことが必要となります。
とくに、会計事務所や税理士法人は実務を通じて税務知識を深めながら試験勉強を進めることが可能です。
税理士試験をサポートする風土が整っている場合が多いため、合格を目指す方には適した環境でしょう。
一方、税理士資格を目指さない場合は、事業会社の経理部門やコンサルティング会社など税務に限らずキャリアを幅広く展開できる職場の選択肢が増えます。
税理士試験の完全合格を目指す場合には、資格取得支援制度の有無やサポート環境も大きなポイントです。
資格の取得に向けてのサポート体制が整っているかどうかは、学習の続けやすさに大きな影響を与えます。
学習時間を確保するための勤務時間の柔軟性や、試験前の休暇制度、さらには受講費用の補助などが提供されている職場は資格取得を目指す人にとって魅力的でしょう。
また、資格取得に向けたサポートが手厚い職場は、同じように資格取得を目指す仲間が多いた、情報共有やモチベーション維持につながります。
職場の規模や業務範囲も、転職先を選ぶ際に重要なポイントです。
小規模な事務所や企業では、一人ひとりが幅広い業務を担当することが求められます。これにより、多様なスキルを身につけることができ、税務や会計に関する多様な知識を得る機会が増えます。
一方で、大規模な組織では業務が細分化されているため、特定の分野で専門性を高めることが可能です。
転職先で、どのようなキャリアパスを展開できるかも考えるべきポイントです。
たとえば、税理士資格を取得して独立を目指す場合は、会計事務所や税理士法人での経験が重要となります。
独立開業に必要な実務経験やクライアントとの関係構築を学ぶことができるため、将来的に独立する計画がある場合にはこうした職場を選ぶのが理想的です。
一方で、企業の経理部門でキャリアを積むことで、経理部門のマネージャーやCFOといった経営幹部を目指せます。
コンサルティング会社では、税務・会計の専門知識を活かして経営戦略やM&Aに関与するなど、幅広い業務に携わりながらコンサルタントとしてのキャリアも選択肢の一つになるでしょう。
このように、将来どのようなキャリアを描きたいのかを見据えて、適した職場を選ぶことが重要です。
業界やクライアントの種類についても考慮すべきです。
自分が関心のある業界や今後成長が期待される分野に強みをもつ職場で働くことは、キャリアにおいて大きな価値をもたらします。
たとえば、IT業界や製造業など特定のクライアントに特化した会計事務所では、その業界特有の会計処理や税務知識を深めることができるため、自らの専門性を高めるチャンスがあります。
科目合格者が納得感の高い転職を実現するためには、以下のポイントを意識することが大切です。
転職を成功させるための第一歩として、科目合格者歓迎の求人を探して積極的に応募することが重要になります。
多くの会計事務所や企業では、税理士有資格者だけでなく科目合格者の採用にも積極的です。
また、科目合格者を歓迎する企業は資格取得をサポートする制度が整っている場合が多く、さらなるキャリアアップを目指す際にも安心でしょう。
自分のキャリアプランを明確にし、応募先に対して前向きに伝えることも大切です。
面接では、自分がこれまでに積み上げてきた知識や経験をどう活かし、今後どのようなキャリアを描いていきたいかを具体的に説明することが求められます。
自分のキャリアプランを明確にし、応募先に対して前向きに伝えることも大切です。
面接では、自分がこれまでに積み上げてきた知識や経験をどう活かし、今後どのようなキャリアを描いていきたいかを具体的に説明することが求められます。
転職先選びでは、企業風土や職場の雰囲気を事前に確認することも成功の鍵です。
自分に合った環境で働くことで、長く充実したキャリアを築くことができます。
面接の際に企業のカルチャーや社内の雰囲気について質問するなどして、自分がその職場で快適に働けるかどうかを確認しましょう。
科目合格者が転職を成功させるためには、転職エージェントの活用も有効です。
転職エージェントは、求人情報の提供だけでなく面接対策や応募書類のアドバイス、条件交渉まで転職活動全体をサポートしてくれます。
科目合格者の場合は自分の強みをどのようにアピールするかが重要ですが、転職エージェントはその点についても的確なアドバイスを提供してくれます。
とくに「ハイスタ税理士」は、税理士および科目合格者の転職サポートに特化した転職エージェントなので、細かいサポートを提供している特徴があります。
税理士・科目合格者のキャリアに詳しく、採用側のニーズも深く理解しているため、効果的にアピールするためのポイントを押さえて、効率的に転職活動に取り組むことが可能です。
税理士科目の合格は転職市場において大きな武器となります。
1科目でも評価の対象になりますが、必修2科目+1科目の合格があるとさらに評価が高まります。
転職先を選ぶ際には資格支援環境や業務範囲、キャリアパスの種類などを確認しましょう。
edit_note この記事を書いた人
一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
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