【例文アリ】税理士の転職成功に効く職務経歴書の書き方と記載すべきポイント

税理士の転職

更新日:2024.03.11

公開日:

税理士としての業務経験やスキルなどをわかりやすくまとめた「職務経歴書」は応募書類の肝であり、書類選考の結果に直結する重要な書類です。採用担当者に「会ってみたい」と思わせる職務経歴書はどのように記載すればよいのでしょうか。

この記事では税理士が転職活動の際に作成する職務経歴書をテーマに、書き方のポイントや注意点などを解説します。

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【例文付き】職務経歴書の記載項目

一般に、職務経歴書には以下の項目を記載します。

  1. 職務要約
  2. 職務経歴
  3. 保有資格・スキル
  4. 自己PR
  5. 特記事項

各項目の概要と例文を紹介します。

職務要約

職務経歴書の冒頭に職務要約を記載します。最終キャリアの職務内容を中心に、クライアント規模と件数、業務内容について簡単に書きましょう。長々と書く必要はありません。自分の強みとなる部分以外は適度に省略し、端的に3~4行くらいでまとめます。

【例】
税理士法人○○にて10年間、中小企業のクライアントを10社担当し、月次監査や経営相談、年次決算などの業務にあたっています。年に数件は相続税対策のアドバイスや相続税の申告書作成業務も行っています。

職務経歴

職務経歴書のメインとなる部分です。もっともボリュームが大きくなるため時系列にそってわかりやすくまとめましょう。記載する項目は以下の内容で、直近の経験から記載するのが一般的です。

  1. 所属組織名、事業内容、規模
  2. 所属期間、あれば役職名
  3. 担当した主なクライアント(法人、個人をわけて記載)
  4. 担当した業務

【例】

○○税理士法人 2015年4月~(在籍中)

【事業内容】月次会計監査、決算書作成および確定申告作成他
【従業員数】100人
【主な担当顧客】法人15社
・印刷業(資本金:○○万円、売上高○○万円、従業員数○名)
・自動車部品製造業(資本金:○○万円、売上高○○万円、従業員数○名)

【業務内容】
・月次監査
・決算書、確定申告作成
・税務届出書類作成 
・相続税申告業務
・給与計算業務
・年末調整業務
・事業再生コンサルティング

保有資格・スキル

保有資格・スキルは税理士資格のほかにパソコンスキルや語学スキル、運転免許もあれば記載します。特に税理士事務所や税理士法人への応募ではクライアント訪問に車を使用するケースが多いため運転免許が必須の場合もあります。

また、使用できる会計ソフトの種類や、一般企業での勤務経験がある場合にはこの項目に記載します。

税理士資格については各科目に合格した時期と税理士登録した年次を記載します。科目合格者の場合は合格している科目と合格年次を記載し、現在勉強中の科目も記載しましょう。合格発表を待っている段階であればその科目と発表待ちである旨を記載します。

【例】

■保有資格
・2016年12月 税理士試験 簿記論、消費税 合格
・2017年12月 税理士試験 財務諸表論、相続税法 合格

■パソコンスキル
・Microsoft Word Excel PowerPoint
・○○会計(確定申告ソフト)

■語学スキル
・TOEIC900点:2020年○月
・アメリカへの留学経験:2011年○月~2012年○月

自己PR

200~500文字を目安に自己PRを記載します。職務内容とスキルはほかの項目で記載するので、ここではコミュニケーション能力や提案力など業務経験・スキル以外のアピールポイントに触れましょう

どんな点を意識して業務に取り組んできたのか、または今後の目標・決意などを記載してもよいでしょう。複数のPRポイントがある場合は箇条書きにしてポイントごとに文章を記載します。

【例】自己PR

・提案力

月次監査や相談対応のみで終わらないよう、クライアントの人生も踏まえたご提案をし、継続的なフォローを続けてまいりました。その結果、売上が〇○万円アップし、クライアントからの信頼を得ることができました。この提案力を活かし、貴法人の発展と売り上げ拡大に貢献していきたいと考えております。

特記事項

転職回数が多い場合やブランクがある場合など履歴書・職務経歴書を見て応募先が気になりそうな要素があればここで事情を簡単に説明します。

ただし、ネガティブな退職理由は書かないことと、育児等による離職理由を書く場合はその状況が今は改善されていることが大切です。特記事項がとくにない場合は省略して問題ありません。

職務経歴書を書くときの基本的なルール

職務経歴書の書き方に統一されたフォーマットなどはありませんが、基本的なルールを確認しましょう。

手書きするケースが多い履歴書と異なり、職務経歴書はパソコンを使い、WordやExcelなどで作成するケースが多いです。記載内容が多く、レイアウトなども整えることができるため、パソコンで作成するほうが見やすいためです。

近年は郵送ではなくデータファイルを提出させる企業も多いので、その場合はパソコン作成が必須です。

ただしパソコンで作成する場合は変換ミスによる誤字や脱字が散見されます。よく確認して誤字脱字がないようにしましょう。面倒でも、一度プリントアウトして確認すると誤字脱字や文章の誤りを発見しやすくなります。

文章量はA4用紙に2~3枚、文字数はトータルで1,800~2,700文字くらいが目安です。フォントも特に決まりはありませんが、ビジネスで使いやすい明朝体がよいでしょう。

税理士の採用時、求職者の職務経歴書はどこを見られているのか

職務経歴書を作成するときは、採用担当者がどんな視点で見ているのかをイメージしながら書くことが大切です。そうすることで、採用担当者の目をひき、「会ってみたい」と思わせる経歴書を作成できます。

自社が求める経験やスキルを持っているのか

税理士は専門職なので、応募者に自社が求める経験やスキルがあるのかは、採用担当者が非常に気になるポイントです。自社が求める経験・スキルとマッチしなければ「会いたい」と思ってもらえず、その時点で不採用になってしまいます。

反対に、経験やスキルがマッチすれば、面接に進める可能性がぐっと高まります。

どんな姿勢で仕事に取り組んできた人物なのか

「仕事に対する姿勢」や「人柄」も見られています。どんなに能力が高い人材でも仕事に対する姿勢や人柄が応募先の期待と違った場合には採用されません。

業務内容やスキル、実績などだけではわからない部分なので、具体的なエピソードを交えて記載するのがよいでしょう。

自身の経験やスキルをわかりやすくまとめる力があるのか

税理士は業務でクライアントに説明したりレポートを提出したりする機会が多いので、まとめる力が必要です。

アピールしたい点が多数あるからと長々と書いても自己満足に終わってしまい、相手に与える印象もよくありません。アピールポイントを絞る、箇条書きや表を使うなどしてわかりやすくまとめましょう。

税理士の職務経歴書、書き方のコツやポイントは?

税理士が職務経歴書を書くときに意識するべきポイントや注意点を解説します。

応募先の要件を確認してから作成を始める

応募先が求めている経験・スキルを意識しながら、かい離のないよう記載することが大切です。応募先の求人内容やホームページなどで事業内容をよく確認し、求められる経験やスキル、期待される活躍について把握しておきましょう。

経験業務とスキルの内容を具体的に書く

職務経歴書の柱である業務経験とスキルの内容は具体的に書きましょう。書き始める前にキャリアの棚卸しをしておくのがおすすめです。あらかじめ紙に書き出しておくとアピールできる業務経験やスキルの書き漏れを防ぐことができます。

また業務経験については、一般業務と特殊業務・スポット業務をわけて書くのが一般的です。

主担当なのか補助的なポジションなのかを明確にする

業務内容については、自分がその業務にどのように関与したのかを記載します。主担当なのか、ほかの税理士の補助としてのポジションなのかを明確にしましょう

あるいはほかの税理士がした業務をチェックする立場の場合もあるかもしれません。補助的なポジションの場合はどの程度まで行ったのかを記載してください。

クライアントの業界や規模が分かるようにする

担当したクライアントが多数あるため書き切れない場合は「法人○○社を担当」などとしたうえで、主要なクライアントや特殊業務に関与できたクライアントをピックアップして記載します。

できるだけ業界やクライアント規模が重ならないようにしましょう。

守秘義務の関係上、具体的なクライアント名は書かないよう注意が必要です。ただし、「資本金○○万円、売上高○○万円、従業員数○名」といった形で、業界や規模などが分かるように記載します。

そうすることで採用担当者は、応募者にどの業界の知識があるのか、どのくらいの規模感の業務を担当できるのかを推測できます。

特殊業務の経験は必ず記載する 

税務申告や記帳代行などの一般業務以外に特殊業務やスポット業務の経験があれば必ず記載しましょう。たとえ主担当でなくてもほかの応募者と差別化を図ることができ、大きなアピールポイントになります。

たとえば組織再編やIPO支援、M&Aやデューデリジェンス、資産税関連業務などが挙げられます。担当件数が多い場合は「組織再編○件」のようにまとめます。

またコンサルティングやアドバイザリー業務など、税理士とは関係ないと思える業務でも記載することが大切です。近年はコンサルに力を入れている税理士事務所なども多く、アピールにつながります。

文章は簡潔にわかりやすく

文章は簡潔にわかりやすく記載します。長い文章は避けて口調も統一します。経験豊富な人ほど多くの業務・プロジェクトを担当してきており、書きたい内容も増える傾向にありますが端的にまとめましょう。

また、採用担当者は必ずしも税理士業務に詳しいとは限りませんので、専門用語などはできるだけ使わず、どんな相手にでもわかりやすく伝わるよう意識することが重要です。

科目合格者は今後の展望にも触れておく

科目合格者については合格した科目や結果待ちなどの試験経過を書いたうえで、今後の展望にも触れておきましょう。

採用担当者に「全科目に合格した後に転職や独立してしまうのではないか」と疑念を抱かせないためです。不合格だった場合に勉強を続けるのかどうかも記載しておきましょう。

【例】
現在、結果待ちですが、一定の手応えを感じるレベルに至っています。仮に不合格だった場合も業務に支障のない範囲で勉強を継続し、合格を目指す予定です。合格後は貴社の事業拡大に税務面から貢献していきたいと考えています。

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応募先別|職務経歴書作成の注意点

税理士の転職先は大きく「税理士事務所・税理士法人」「一般企業」「コンサルティングファーム」にわけられます。応募先別に職務経歴書を書くときの注意点を解説します。

税理士事務所・税理士法人

税理士の一般的な転職先である税理士事務所や税理士法人では即戦力として活躍してもらいたいので、職務経歴の内容がもっとも重要です。応募先で役立てる経験やスキルを中心に、箇条書きを使ってわかりやすく記載しましょう。

中小企業がクライアントの一般的な税理士事務所へ応募する場合は、ニーズが高まっている相続税や贈与税、事業継承などの業務経験も記載します。担当した件数や案件の規模などをまとめて記載するとよいでしょう。

一般企業

一般企業では税理士に任せたい業務内容が企業ごとに異なるので、募集要項を見てマッチする業務経験を漏れなく記載することが大切です。

また一般企業の場合、税理士事務所と異なり税理士業務についてよく知らない採用担当者が職務経歴書を読む可能性が十分にあります。そのため専門用語や業界用語は使わず、専門知識がない人でも理解できるよう意識しましょう。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームは常に結果が求められる厳しい環境です。職務経歴書にも業務内容だけでなく結果や実績を具体的に書くようにしましょう。勤務先の収益にどう貢献できたのかという視点を持ち、数字で明記するのが望ましいです。

またファームごとに得意な領域が異なるので、応募先の得意分野にフィットする経験・実績を選んで記載することが大切です。

まとめ

職務経歴書は税理士としての経験やスキル、強みなどを応募先に伝えるための重要なツールです。職務経歴書の内容が書類選考の結果を大きく左右するといっても過言ではありません。

企業研究を丁寧に行ったうえで応募先が求める経験・スキルを読み解き、職務経歴書に反映させることが大切です。

職務経歴書の作成方法でお困りであれば税理士転職支援のプロである我々ハイスタにご相談ください。

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ハイスタ税理士

一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。

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