【BIG4監査法人からの転職】おすすめの転職先や転職時期を解説!

監査法人から転職

更新日:2024/07/03

公開日:

BIG4と呼ばれる「EY新日本有限責任監査法人」「有限責任監査法人トーマツ」「あずさ監査法人」「PwCあらた有限責任監査法人」の4法人は、公認会計士として最初のキャリアとなる方も多いことでしょう。BIG4は最新の監査スキルを学びながら大手クライアントを相手に監査を経験でき、公認会計士としての力を磨くのに最適な環境ですが、就職から数年経ったタイミングで転職を考え始める人は少なくありません。

とはいえ、「BIG4からの次のキャリアにはどんな選択肢があるのか?」「転職するのはいつがよいのか?」など転職活動を始めるにあたり悩んでいる方は少なくないはずです。そこで本記事では、BIG4監査法人からの転職先や適したタイミング、転職活動のポイントを解説します。

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BIG4監査法人からの転職先6選

BIG4監査法人で培ったスキルや経験を最大限に活かすためには、さまざまな選択肢があります。それぞれの転職先の特徴や転職するメリット・デメリットについて紹介します。

  1. 準大手・中堅監査法人
  2. 会計事務所・税理士法人
  3. 事業会社の経理・監査役
  4. ベンチャー企業のCFO
  5. コンサルティングファーム
  6. 金融機関

準大手・中堅監査法人

監査法人には、BIG4以外にも準大手や中堅で高い成果をあげている監査法人が多くあります。BIG4では主に大手クライアントの監査をおこないますが、準大手や中堅の監査法人では大手から中堅までさまざまな規模の企業を担当します。

規模が異なる監査法人への転職によって、多様なクライアントに関わることができ、監査経験の幅が広がります。監査以外にアドバイザリー業務などを経験できることもあります。また、BIG4に比べると比較的安定した労働時間で、プライベートとのバランスが取りやすいケースが多いのも魅力です。

一方で、BIG4に比べると年収は若干低い場合があります。大手以外のクライアントを担当することも多いので、大規模な案件に関わりたい方は物足りなく感じることがあるかもしれません。

会計事務所・税理士法人

会計事務所や税理士法人も、公認会計士としての知見を活かせる転職先です。法人や個人のクライアントに対し、税務申告書の作成や税務相談、記帳代行や財務諸表の作成などを提供します。近年は経営コンサルティング業務に力を入れている事務所や法人も多いです。

クライアントは地域の中小企業や個人事業主などが中心です。BIG4では役職者でない限りクライアントの経営者と話をする機会はほとんどありませんが、会計事務所や税理士法人では経営者と密接な関係性を築き、クライアントのビジネスをサポートすることができます。

一方で、転職先の規模によっては日常業務に追われがちになり、キャリアアップの機会が限られることがあります。BIG4に比べると残業は抑えられることが多いものの、繁忙期には業務量が多くなり、長時間労働が求められることがあります。また税務が中心となるため、税務の知識を習得する必要があります。

事業会社の経理・監査役

事業会社も候補のひとつです。公認会計士の場合、経理・財務採用されることが一般的です。経理・財務では日常的な会計業務や決算業務、予算管理や財務報告などの業務をおこないます。監査役として、会計領域を含む経営の重要な役回りを担うこともあります。

事業会社はBIG4監査法人のときより年収は下がることが多いものの、福利厚生や定期昇給、退職金などトータルで見れば条件がよいことがあります。また、BIG4と比べて残業時間を抑えられ、自己研鑽に力を入れる時間やプライベートの時間も確保しやすくなるでしょう。

一方で、定型業務が多く変化が少ないと感じる方も少なくありません。監査法人のように公認会計士としての専門性を最大限に発揮できるわけではなく、資格が必ずしも評価されるわけではありません。その点に納得できるかどうかも満足度のポイントとなるでしょう。

ベンチャー企業のCFO

ベンチャー企業では公認会計士をCFOまたは候補として採用することがあります。とくにBIG4出身の公認会計士は高く評価されるでしょう。業務内容は成長ステージによっても異なりますが、財務戦略の立案・実行や資金調達、経理・財務部門の統括などをおこないます。

ベンチャー企業で働くことで、自社の成長に直接関与できるやりがいを感じられるでしょう。チャレンジングな環境で、かつ多様な業務に携わることで、すさまじいスピードで自身を成長させられるのも魅力です。

一方、企業の成長段階によっては不確実性が高く、経営リスクがともないます。多岐にわたる業務をこなす必要があり、労働時間が長くなることがあります。場合によってはBIG4よりもハードワークになることもあるでしょう。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームではクライアントに対し、財務アドバイザリーサービスやM&A、企業再生支援などをおこないます。さまざまな種類のファームがありますが、公認会計士が採用されやすく経験を活かしやすいのは、BIG4系列のコンサルティングファームやFAS系のコンサルティングファームです。

コンサルティングファームでは多様なプロジェクトに関与し、幅広い経験が積めます。年収水準が高く、成果に応じたインセンティブもあるので、高年収のBIG4からの転職でも年収を維持しやすいのも魅力です。

一方で、ハードワークであることはBIG4と変わりません。プロジェクトによっては長時間労働が求められます。また、常に高いパフォーマンスが求められ、大きなプレッシャーを抱えることがあります。

金融機関

銀行や証券会社、投資銀行などに転職する公認会計士もいます。業務内容は投資戦略の策定と実行、クライアントや自社の財務分析やリスク管理、コンプライアンス業務や内部監査など多岐にわたります。

金融機関では、会計知識を活かして高度な財務分析やリスク管理ができます。比較的安定した職場環境や高年収が期待できるのも金融機関へ転職するメリットのひとつです。

一方で、金融業界特有の規制やコンプライアンスへの対応など専門性の高い業務が求められるため、新たな知識の習得が不可欠です。

BIG4監査法人からの転職理由

BIG4監査法人での経験は公認会計士としてのキャリアを構築するうえで貴重なものですが、転職する会計士は多数います。以下では、BIG4監査法人から転職を考える主な理由を紹介します。

専門性を高めたいから

BIG4監査法人では、幅広い業種やクライアントに対して監査やアドバイザリーサービスを提供します。しかし、特定の業界や分野における専門性を高めたいと考える公認会計士は少なくありません。

たとえば金融業界やIT業界に特化した専門知識を追求したい場合、これらの分野を経験できる企業やコンサルティングファームへの転職が選択肢となります。

監査以外の経験を積みたいから

BIG4監査法人では非監査部門もありますが、監査部門からの異動がなかなか実現しないなどの理由で、不満を抱えながらも監査業務に従事しているといったケースがあります。その場合、転職によって監査以外の業務経験を積みたいと考えるようになります。

たとえば財務アドバイザリーやM&Aなどの分野での経験を積むことで、より多様なスキルセットを構築できます。

BIG4でパートナーになれないから

監査法人におけるキャリアの最終目標として「パートナーへの昇進」を掲げている方は多いでしょう。

しかしBIG4監査法人でパートナーになるのは簡単ではありません。多くの優秀な公認会計士が集まるなかで競争に勝つ必要がありますし、そもそも近年は上が詰まっていてポジションに空きがないという状況もあります。

このような状況において、「ここではパートナーになれない」と考えて転職するケースは多いです。

ワークライフバランスを改善したいから

BIG4監査法人での業務は、とくに繁忙期において非常にハードなものとなります。

長時間労働や厳しい締め切りにより、プライベートの時間が制限されることもしばしばです。そのためワークライフバランスの改善を求めて転職を考える公認会計士は多くいます。

転職を決断することで、より柔軟な働き方が可能な監査法人や企業、労働時間が比較的安定している業界を目指すことが可能です。

やりがいを感じたいから

公認会計士の主要業務である監査は、企業の財務情報の正しさを保証するための重要な役割を担っています。しかし業務内容がルーチン化しやすく、やりがいがないと感じる公認会計士もいます。

この場合、よりクリエイティブで挑戦的な業務を求めて、自身のスキルや知識を活かせる新たな領域に挑戦することになります。

BIG4監査法人からのベストな転職時期

BIG4監査法人で働く公認会計士がキャリアの次のステップを考える際、転職のタイミングは非常に重要です。適切な時期に転職することで、キャリアの選択肢を広げ、さらなる成功を手に入れることができます。

価値が高まるのは実務経験3年以上から

転職市場において価値が大きく高まる最初のタイミングは、監査法人での実務経験が3年以上になったときです。

まず3年以上の経験があることで、公認会計士の登録要件である実務経験年数を満たすというのが大きいでしょう。

また基本的な監査業務が身についており、社会人としてのビジネスマナーやソフトスキルなども備わっていると判断されるので、転職先で即戦力として期待されやすくなります。

主査の経験があると選択肢が増える

主査としての経験は、転職市場での大きなアドバンテージとなります。

主査はプロジェクトの責任者としてチームをリードし、クライアントとの折衝をおこなう役割を担います。この経験があることで、リーダーシップやプロジェクトマネジメントのスキルが評価され、より高いポジションでの転職が可能となります。

マネジメント験があるとハイクラス転職が可能

BIG4監査法人におけるマネージャーは、複数のプロジェクトを同時に管理し、戦略的な意思決定をおこなうポジションです。

マネジメント経験は、専門的な知識とマネジメントスキルの両方を兼ね備えた人材として評価されるため、転職市場での競争力が一段と高まります。より高いポジションへの転職が可能となるでしょう。

活動時期は繁忙期を避けるのが賢明

繁忙期は転職活動に十分な時間とエネルギーを割くことが難しくなります。また繁忙期に辞めようとすることで現在の職場から引き留められる可能性があり、職場との関係性がぎくしゃくすることがあります。

繁忙期を避けて転職活動を始めることで、面接や応募先のリサーチに十分な時間を確保し、より慎重に転職先を選ぶことができます。現在の職場との関係性も維持できるので、将来のキャリアで必要な人脈の確保につながります。

BIG4監査法人からの転職活動のポイント

BIG4監査法人で培った経験は非常に価値がありますが、新たなキャリアを追求する際には計画的な転職活動が重要です。以下に、成功するための具体的なポイントを解説します。

中長期的なキャリアの目標を定める

転職活動を始める前に、まず中長期的なキャリアの目標を明確にしましょう。どのようなポジションを目指し、どのような業界や役割で活躍したいのかを具体的に考えることが重要です。

たとえば企業のCFOを目指すのか、M&Aや財務アドバイザリーなど特定の専門分野でのエキスパートを目指すのかによって、選ぶべき転職先や必要なスキルが変わってきます。

目標を明確にすることで、転職活動の方向性が定まり、効果的なアプローチが可能になります。

転職で譲れない条件を明確にする

転職活動を進めるうえで、自分が譲れない条件を明確にしましょう。給与や勤務地、業務内容やワークライフバランスなど、自分にとって重要な要素をリストアップします。これにより、応募先の企業を選ぶ際に迷わず、効率的に活動を進めることができます。

また、譲れない条件を明確にすることで、転職後の満足度を高めることができます。

企業研究を徹底する

転職先の企業について徹底的に研究することも非常に重要です。企業の財務状況や成長戦略、社風や労働環境などを調査し、キャリアの目標や譲れない条件に合致するかを確認しましょう。

また企業研究をもとに面接の際に具体的な質問を用意することで、企業側に対しても好印象を与えることができます。

応募先に合わせたアピールポイントを整理する

応募先の企業やポジションに合わせて、自分のアピールポイントを整理しましょう。BIG4監査法人での経験やスキルをどのように転職先で活かせるかを具体的に伝えることが重要です。

たとえばプロジェクトマネジメントの経験やクライアントとの折衝力、チームリーダーとしての実績などがアピールできます。応募先企業のニーズに合った形でアピールすることで、採用担当者に強い印象を残すことが可能です。

ハイクラス向けのスカウトサービスに登録する

公認会計士の転職ではスカウトサービスを利用することが効果的です。自分の経歴やスキルを詳細に登録し、企業からのスカウトを待つことで、自分では見つけられなかった好条件の求人に出会うチャンスが増えます。

自分の市場価値を客観的に知ることができ、より適した転職先を見つける手助けになります。

公認会計士に特化した転職エージェントを活用する

公認会計士に特化した転職エージェントを活用することで、業界や職種に精通した担当者から専門的なサポートを受けることができます。

エージェントは応募書類の添削や面接のフィードバックなどの転職サポートを通じて、転職活動を成功に導いてくれます。また、公認会計士の求人は応募者を厳選していることが多いので、エージェントが保有する非公開求人を紹介してもらうと良いでしょう。

BIG4からの転職におすすめの転職エージェント5選

BIG4からの転職を検討中の公認会計士におすすめの転職エージェントを紹介します。

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士は、公認会計士とUSCPAの転職支援に特化した転職エージェントです。

会計士の転職市場に精通したアドバイザーが的確なアドバイスを提供してくれるとともに、転職活動の全行程を徹底サポートしてくれます。

求人側と求職者側を同じアドバイザーが担当する両手型のエージェントなので、ミスマッチのない転職が叶います。

公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/

マイナビ会計士

マイナビ会計士

マイナビ会計士は、その名のとおりマイナビが運営する会計士特化型のエージェントです。

リモートワーク可能求人やプライベートを確保しやすい求人など、働きやすい求人を多数扱っています。ワークライフバランスの改善を目指して転職したい方におすすめです。

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズ

レックスアドバイザーズは、公認会計士・税理士・経理人材の転職支援に特化した転職エージェントです。

マネージャーや将来の幹部候補などのハイクラスポジションに強みがあります。有資格者がキャリアアップするためのノウハウを惜しみなく提供してくれるので、経験豊富な会計士は相談してみましょう。

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアは、公認会計士や経理などの会計人材を専門に扱う転職エージェントです。

公認会計士が創業した専門性の高いエージェントなので、BIG4をはじめとする監査法人からのキャリアに詳しく、最適な求人を提案してくれます。

MS Agent

ms_会計士

MS Agentは、公認会計士などの士業と管理部門に特化した転職エージェントです。

監査法人や会計事務所など多彩な求人がありますが、とくに事業会社の求人が豊富です。上場会社の経理や財務、内部監査などでのキャリアを目指す会計士はチェックしましょう。

まとめ

BIG4監査法人からの転職先は、異なる規模の監査法人のほかに、事業会社や会計事務所、ベンチャーCFOなど豊富な選択肢があります。

ただし経験年数によって転職市場での価値が変わるので、適切なタイミングを見極めて転職活動を始めるようにしましょう。

edit_note この記事を書いた人

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ハイスタ編集部

一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。

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