公認会計士の転職
更新日:2024/07/22
公開日:2024/07/18
公認会計士業務をしていく中で、「業務のAI化が原因で公認会計士の仕事がなくなるのではないか」と不安を感じる人も少なくないでしょう。
結論、監査業務やコンサルティング業務の性質上、公認会計士の仕事が完全にAIに奪われることはないでしょう。ただし、公認会計士として着実にキャリアを積んで明るい将来をつかむには、資格を取得した後もさまざまなスキルを習得したり、効率的な転職活動を実施したりする必要があります。
そこで本記事では、公認会計士の将来性に不安を感じている方のために、会計士業界の今後や転職事情などについて分かりやすく解説します。
目次
公認会計士は将来性の明るい職業と言われる理由は、以下が挙げられます。
以上を踏まえると、公認会計士資格を取得すれば「就職先がない」「苦労して資格を取得したのに高い収入を得られない」という事態に陥ることは少ないと考えられます。
もちろん、公認会計士資格取得後もそれぞれが置かれた環境に応じて研鑽を積む必要はありますが、努力を続ける限り希望するキャリアが叶う可能性は高いでしょう。
近年、AI技術が発展し、経済社会のさまざまな領域でDX化・デジタル化が進んでいます。
経営者側の目線に立つと、AI技術を導入は人件費の節減・業務効率化が実現しやすくなるというメリットをもたらすものです。その一方で、雇用される従業員側は、AI技術の浸透によって仕事を奪われる不安もあるでしょう。
実際、公認会計士業界だけではなく、さまざまな業界で、「AIの普及によって、人間の仕事が無くなったり大幅に削減されたりするのではないか」などの不安が囁かれています。
たからといって、「公認会計士の仕事はAIに奪われるので、将来性がない」という考えは間違いです。
なぜなら、公認会計士の職務内容は、監査業務・税務相談・各種コンサルティング・アドバイザリー・ガバナンス支援など、多岐にわたるものだからです。
そもそも、AIは決められた業務を効率的に実行できる点に価値があるツールです。公認会計士の業務のうち、証憑突合や仕訳テスト、膨大な書類の整理などは、人為的な作業よりもAIによる遂行の方が正確性・確実性を担保できます。
その一方で、監査の妥当性を判断すること、各企業が抱える課題を抽出して改善策を提示すること、クライアントの個別事情を踏まえたうえでのアドバイザリーサービスを提供することなど、臨機応変な判断が求められる「公認会計士だからこそできる業務」については、AIでは代替不可能です。
したがって、公認会計士の仕事はAIによって奪われることはなく、むしろ、AIを上手く業務に取り込むことによって従来以上のクオリティでさまざまなサービスを提供できるようになると考えられます。
公認会計士資格を取得すれば、高い専門性を活かしてさまざまな業種・業界での活躍を期待できます。
ここでは、公認会計士として活躍しやすい場所を具体的に紹介します。
監査法人とは、会計監査を目的として公認会計士法に基づいて設立される法人のことです。企業や組織、個人事業主が法令や規則を遵守した会計処理を実施しているか否かを判断・評価します。
そして、監査業務は公認会計士の独占業務です。
そのため、監査法人は会計・監査などに関する高い専門性を有する公認会計士が活躍できる主たるキャリアルートといえるでしょう。
監査法人は組織規模や業務目的によって、以下のように大別されます。
BIG4監査法人(大手監査法人) |
大手監査法人は、上場会社を概ね100社以上被監査会社として有し、かつ、常勤の監査実施者が1,000名以上いる監査法人のことです。 日本では、以下の4大監査法人(BIG4監査法人)が大手監査法人に該当します。
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準大手監査法人 |
準大手監査法人は、比較的多数の情状会社を被監査法人とする監査法人で、大手監査法人に該当しない規模のもののことです。 日本では、以下の監査法人が準大手監査法人に該当します。
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中小監査法人 |
大手監査法人・準大手監査法人以外の監査法人は全て中小監査法人に該当します。 また、中小監査法人よりも規模の小さい共同事務所・個人事務所でも監査業務を請け負っているところは多いです。 |
特化型監査法人 |
特化型監査法人は、特定業務・業界に特化した監査法人のことです。 業界ルールや慣例、事業実態に精通したメンバーで構成されるため、組織規模は比較的小さいものの高い専門性で存在感を示しています。たとえば、IPO監査に強いESネクスト有限責任監査法人、農業協同組合等の監査を扱うみのり監査法人などです。 |
公認会計士資格を取得すれば、税理士試験を受験しなくても税理士登録ができます。
そのため、公認会計士資格と税理士資格の両者を活かすことができる税理士法人・会計事務所も公認会計士の活躍の場に選ばれることが多いです。
税理士法人・会計事務所で働くには、税務書類の作成・税務代理・税務相談の税理士独占業務だけではなく、企業や個人事業主の会計業務のサポートや相続・経営などのコンサルティングなどの幅広い業務へ対応する必要があります。
公認会計士の活躍の場として近年注目されているのが、コンサルティング会社・アドバイザリーファームです。
コンサルティングとは、企業が抱えるある特定の課題に対して解決策を提供するサービスのことです。また、アドバイザリーは、組織全体が抱える課題を抽出したり、全体的な視点から解決策などについてアドバイスをする業務を指します。
コンサルティングの方が注目する課題は狭いですが、企業などに対してアドバイスを提供するという意味ではコンサルティングもアドバイザリーにも違いはありません。
コンサルティング・アドバイザリーには、以下のようなさまざまな種類が存在します。公認会計士として、積みたいキャリアに特化した場所を選びましょう。
公認会計士は、監査法人やコンサルティングファームで働かなければ意味がないということはありません。
近年、一般事業会社が自社の財務部門・経理部門を強化する目的で、公認会計士資格保有者を従業員として雇用するケースが増えています。このようなタイプのキャリアは、組織内会計士と呼ばれます。
一般的に、監査法人やコンサルティングファームの仕事量は激務です。そのため、監査法人などに就職すると監査業務などについて習熟できる一方で、ワークライフバランスを維持することはできません。
その一方で、組織内会計士として一般事業会社に就職すれば、他の従業員と同じ雇用システムの中で働くことになります。たとえば、一般事業会社が提供する福利厚生の恩恵に与かれたりするなど、安定的な環境で仕事に従事できるでしょう。また、組織の中で各企業が提供する業務・サービスに直接触れられるので、業界独自のスキルを習得するのに適しています。
公認会計士が一般事業会社に入社すれば、経理や財務の担当者として活躍したうえで、企業内で昇進・昇格を目指したり、他の一般事業会社へキャリアチェンジすることも可能です。監査・会計以外の専門知識やノウハウを習得できるので、公認会計士の独占業務に近接した領域以外での活躍を希望するなら、一般事業会社の求人もチェックしてみるとよいでしょう。
公認会計士として一定のキャリアを積んだ後は、独立開業をするのも選択肢のひとつです。
監査業務や税務などを扱う事務所を自分自身で経営すれば、自分の希望通りに業務や働き方を選択できるでしょう。また、自分の頑張り次第で収入面での満足度も高められるので、組織の給与システムの範囲を超えた年収を希望するなら、独立開業でキャリアアップを目指すのがおすすめです。
ただし、独立開業をすると、請け負った仕事に注力するだけではなく、組織を運営・経営するための労力に時間を割かなければいけません。また、うまく集客できず仕事がなくなると、監査法人などに就職する場合よりも低い賃金になりかねないリスクも生じます。
そのため、公認会計士が独立開業をする時には、先行して監査法人や一般事業会社に就職をしてある程度のスキル・コネクションを築いておくことをおすすめします。
公認会計士の将来性が高い理由は、ステータス性や収入などの高いキャリアパスが選択肢に入ってくるからです。
ここでは、公認会計士に人気のキャリアパスを紹介します。
監査法人では、スタッフ・シニアスタッフ・マネージャー・パートナーの順番に役職があがっていくのが一般的です。
その中でも、パートナーは監査法人の最高ランクの役職に位置付けられます。一般事業会社の役員・執行役員に相当するものであり、監査法人の経営陣のひとりとして、運営やマネジメント業務、重要案件の差配などを担当します。
特に、BIG4などの大規模監査法人のパートナーポジションまで昇進すれば、高い年収とステータスが確約されます。ハイクラス転職の選択肢も増えますし、普通では受任できないような案件を担当することもできます。
ただし、BIG4のパートナーまで昇進するには、監査業務だけではなく幅広いスキルについて高い専門性を備えなければいけません。英語力や米国公認会計士資格など、さまざまなスキル・資格を習得して自己研鑽に励むべきでしょう。
公認会計士にとって将来性が高いキャリア選択肢のひとつとして、コンサルティングファームへの入所が挙げられます。その中でも、特に会計・財務系ファームや戦略系ファームは高い人気が高いです。
具体的な業務としては、会計・財務系コンサルタントの場合、クライアント企業の事業価値や資産状況を客観的に調査・分析をして、現在抱えている問題点を抽出し、具体的な改善策を提案し、戦略系コンサルタントでは、企業の経営陣から事業計画・新規事業立案などの経営判断についての相談を受け付けて、レビューを与えたり具体的な改善策を提案します。
そもそも、業種・業界・企業によって抱えている課題は全く異なります。そして、市場におけるシェア率や競合企業の状況、株主構成、利害関係者の分布図などもさまざまです。
つまり、会計・財務系のコンサルティングや経営戦略系のアドバイザリーのサービスを提供するには、幅広い知識や経験を活かしながらクライアント企業に対して多角的な分析が必要だということです。
以上を踏まえると、公認会計士が会計・財務系や経営戦略系のコンサルタントとしてのキャリアを積むことに成功すれば、コンサルティングファームなどで積んだノウハウや技能を武器に、幅広いキャリア選択肢が広がるといえるでしょう。
組織内会計士として活躍するキャリアルートを選択した場合、一般事業会社の経理・内部監査部門での管理職が有力なターゲットになります。
現在、日本に拠点を置く企業でも、マーケットを海外に広げているケースが多いです。すると、国際会計基準への理解、海外事業所や子会社の資金調達、ガバナンス体制の構築などに対応せざるを得ません。これらの業務にスムーズに対応するには、会計・監査業務に精通した公認会計士の力は不可欠でしょう。
また、日本国内のみで事業活動を展開する場合でも、公認会計士資格を有する人材が経理・内部監査部門に存在するだけで、社内の財務・会計能力は各段に底上げされるはずです。組織内会計士が管理職として業務を差配したり教育を実施したりすることで、粉飾決算や会計処理ミスのリスクを大幅に削減できます。
このように、組織内会計士は一般事業会社にとって大きなメリットをもたらすものです。多くの企業で組織内会計士に好条件の求人案件を出して登用する動きが強まっているので、公認会計士の将来性を高める選択肢のひとつになるでしょう。
公認会計士のスキルは、ベンチャー企業でも重宝されます。会計・経理業務に精通した公認会計士は、バックオフィス部門の管理部長に適任でしょう。
また、ベンチャー企業が上場を視野に入れている場合、丁寧なスケジューリングをして以下のようなタスクをクリアしていかなければいけません。これらの業務は、財務・会計などの専門知識を有する公認会計士が主導した方がスムーズです。
さらに、ベンチャー企業では、今後の経営方針や事業活動の方向性を決定する目的から、資金調達のノウハウなどに詳しい人材を欲しているケースが少なくありません。
このような状況を踏まえて、CFOや管理部長などの重要ポストに招聘する人材を見つけるために、ベンチャー企業は公認会計士資格保有者を対象とする求人を出していることが多いです。IPO準備段階の企業にCFOなどの役職で参画すれば、将来的に上場企業の経営層としてのキャリアも視野に入ってくるでしょう。
粉飾決算や不正会計処理などの事象が発生し、後からマスコミなどで報道されて世間に発覚すると、株価の下落・企業の対する社会的信用の棄損などのデメリットが生じかねません。
そこで、コンプライアンス強化を達成するために、社外役員や監査役に公認会計士を登用する一般事業会社が増えています。財務・会計・経理について高い専門性を有する公認会計士を監査役などに就任させて会計上のリスクを予防するためです。また、公認会計士が役員に就いているだけで企業の信頼度が高まることも期待されます。
社外取締役や監査役の経験があれば、公認会計士としての経歴に箔が付きます。役職経験があることを評価して、監査法人のパートナーや他の企業の役職などへの就任を打診される機会も増えるでしょう。
公認会計士としてのキャリアの将来性を高めるには、公認会計士資格とは別の資格を取得してダブルライセンスとして活躍するのがおすすめです。
ここでは、公認会計士のキャリアに役立つ3つの資格を紹介します。
公認会計士資格がスムーズにダブルライセンスとしての活躍を希望するなら、税理士資格の取得がおすすめです。
公認会計士資格を取得していれば、税理士試験を受験しなくても税理士登録することができます。
税理士は税務のプロとして認められる資格なので、監査スキルと税務スキルを駆使すれば、クライアント企業に対して多角的なコンサルティングサービスなどを提供できます。また、税理士法人などに所属をしながら監査スキルを活かすキャリアプランも選択肢に入ってくるでしょう。
USCPAは、米国公認会計士資格のことです。
USCPAを取得すれば監査スキルについて国際的な信頼性が高まるので、外資系企業や金融機関、BIG4のような大規模ファームなどでの活躍の場が広がります。また、USCPAは日本に居ながら受験できるのも魅力のひとつです。
ただし、USCPAを受験する際には、出願州を事前に決定したうえで、各州が定める受験資格要件を満たさなければいけません。また、ビジネスレベルの英語力も不可欠です。
ですから、USCPA資格取得を目指す場合には、アメリカの大学などと提携している専門スクールを活用して効率的に受験勉強に励むべきでしょう。
公認会計士が弁護士資格も取得すれば、対応できる業務の幅が各段に広がります。
弁護士は、公認会計士と並ぶ三大難関国家資格のひとつです。法律系専門職の最高峰に位置付けられる資格で、民法・会社法・商法・独占禁止法のような公認会計士業務に直接的に役立つスキルが身に付きます。
たとえば、公認会計士資格と弁護士資格のダブルライセンスがあれば、財務・会計面からのアプローチだけではなく、リーガルリスクにも配慮したアドバイザリーサービスを提供可能です。また、普段監査業務を担当しているクライアント企業が訴訟問題を抱えた時に、弁護士資格を活用してそのまま法的トラブルにも対応できるでしょう。
ただし、弁護士資格を取得するには、司法試験予備試験に合格するかロースクールを卒業して受験資格を取得したうえで、司法試験に合格する必要があるので難易度は高いです。
公認会計士がキャリアの将来性を高めるためには、公認会計士なら誰でも対応できる監査業務などに関するスキルだけではなく、付加価値的なスキルも習得するべきです。
ここでは、公認会計士としてキャリアアップする時に役立つ3つのスキルを紹介します。
経済活動の国際化と人材の流動性が高まった状況を踏まえると、日本の監査法人などでキャリアを積むとしても、ビジネスレベルの英語力は不可欠です。
たとえば、大規模監査法人でキャリアを積む場合、必然的にクライアント企業の規模も大きくなります。クライアント企業が海外に事業展開しているなら、その監査を担当する公認会計士も英語力を備えていた方がスムーズに企業実態を把握できますし、海外法人の担当者と直接コミュニケーションをとりやすくなるでしょう。
また、ビジネスレベルの英語力があれば、BIG4などの海外支店でキャリアを積む選択肢も入ってきます。「日本国内だけにとらわれることなく国際的に活躍したい」と希望する方は、ビジネスでも通用するレベルの語学力を習得することを強くおすすめします。
今後、あらゆる業界でAI化・DX化が進むことが想定されます。
公認会計士側の業務内容もAIサービスに代替される領域が増えていきますし、クライアント企業の業務内容もIT技術が導入されていくでしょう。たとえば、クライアント企業の業績向上に向けたコンサルティングサービスを提供する際には、IT化などによる業務効率化について具体的な検討が必要な場面にも迫られるはずです。
そのため、公認会計士としてのキャリアの将来性を豊かなものにするためには、ITスキルの習得は必須だと考えられます。
クラウドプラットフォームに関する知識、データサイエンスのスキル、プログラミングスキルなど、ご自身が希望する公認会計士としてのキャリアに密接なスキル・ノウハウを習得しましょう。
営業能力・経営スキルを磨くことも、忘れてはいけません。
まず、「公認会計士はデスクワークが基本なので対人関係が苦手でも問題ない」というのは間違いです。監査法人やコンサルティングファームでの業務はチーム制が原則なので、円滑に業務を遂行するには高いコミュニケーション能力が不可欠です。
また、公認会計士の仕事はクライアントとの信頼関係がなければ成立しないものである以上、ビジネスマナーや社会人としての常識は備えていなければいけません。監査業務などについて依頼を受けるには取引先企業から信頼されなければならず、そのためには、高い営業スキルが求められるでしょう。
さらに、監査法人内で昇進すれば、部下を統率・教育する能力は欠かせません。将来的に独立開業を目指すのなら、経営スキルを磨く必要にも迫られます。
以上を踏まえると、公認会計士のキャリアの将来性を高めるには、監査業務などの専門スキルだけではなく、社会人としての常識・ビジネスマナー・コミュニケーション能力なども磨く必要があると考えられます。「難易度の高い資格を取得しているのだから、社会人としての一般常識はなくても大丈夫」というわけではないので注意をしてください。
公認会計士としてキャリアアップを目指すなら、現在の自分の市場価値を常に把握する作業が不可欠です。
なぜなら、市場価値を理解すれば自分の長所・短所が明確になり、具体的なキャリアプランの構築や応募先ファームの選択に役立つからです。
ここでは、公認会計士としての自分の立ち位置を知る方法について解説します。
まずは、自分の年齢・公認会計士歴・所属先企業の規模などの条件を前提とした場合、標準的な年収水準がいくらになるのかを調査してください。
厚生労働省が毎年公表している「賃金構造基本統計調査」を参照したり、各種情報サイトなどを確認すれば、自分の年齢などを前提とした時の適正年収が判明します。
適正年収に比べて自分の給与条件が低い場合には、転職によって今よりも好条件の監査法人・一般事業会社などにキャリアチェンジできる可能性が高まるでしょう。
なお、就職活動・転職活動をする際に年収条件は重要なポイントのひとつになるのは間違いはりませんが、金銭面だけに注目して応募先企業を決めるのはおすすめできません。たとえば、高い年収条件を提示する監査法人ほど激務でワークライフバランスを維持しにくいなどのデメリットがあるからです。また、監査法人に比べて組織内会計士の年収は低い傾向にありますが、その反面、充実した福利厚生や安定的な就労環境が手に入りやすいというメリットを得られます。
ですから、公認会計士としてのキャリア形成を考える時には、「自分がどのような条件で何をキャリアの目標として何を目指すのか」という点を明確化するのが重要です。
公認会計士としての市場価値を効率的に把握したいなら、転職エージェントサービスを活用するのがおすすめです。
転職エージェント(人材紹介会社)とは、求職者の希望条件に合致する就職先・転職先を紹介してくれるサービスのことです。求職者それぞれに公認会計士業界の転職市場に精通したアドバイザーが着任して、採用ミスマッチがないように転職活動をサポートしてくれます。
公認会計士業界に強い転職エージェントに相談すれば、現在の市場価値を適切に把握したうえで、給与条件面や業務内容・キャリアの方向性などの希望を整理して、条件に見合った応募先企業をピックアップしてくれるでしょう。
なお、求職者側は無料で利用できることが多いので、転職エージェントに相談する時には複数の業者を併用するのがおすすめです。転職エージェントごとに抱えている求人案件やサポート体制は異なりますし、アドバイザーのノウハウにも差があるからです。
適切な市場価値を前提に就職活動・転職活動を進めたいなら、スカウト型転職サイトを活用すると効果的です。
スカウト型転職サイトは、求職者が自分の情報を公開して、企業側からのスカウトを待つという仕組みになっています。公開ページを作成しておけば、企業側から連絡が来るまでは就職活動・転職活動に対して時間・労力を割く必要はありません。公開ページに掲載されている職務経歴書・スキルなどをチェックして求職者に魅力を感じた監査法人・一般事業会社から連絡が来るので、自分がどのランク層の法人の採用対象になっているかを判断できます。
ただし、求職者側から積極的に就職活動・転職活動を進める類のものではないので、企業側の目に止まらなければ就職活動は全く進みません。ですから、公認会計士としての将来性を拓くためには、スカウト型転職サイトだけに頼るのではなく、転職エージェントを併用するなど、複数のアプローチで就職活動・転職活動を進めていくべきでしょう。
実際の採用プロセスに進めば、公認会計士としての自分のリアルな市場価値が分かります。
たとえば、好待遇・好条件の求人に応募したところ、書類選考段階で落とされてしまったのなら、自分の市場価値はそのステージに至っていないと判明するでしょう。逆に、採用面接段階で求職者側から雇用条件についてある程度要望を出せるような状況なら、自分の市場価値がある程度高いと理解できます。
最後に、「公認会計士としての将来性を高めるために現在の市場価値を知りたい」と考えている人に役立つ転職支援サービスを3つ紹介します。
ハイスタ会計士は、公認会計士・USPCA特化型の転職エージェントサービスです。
公認会計士業界の転職市場に詳しいキャリアアドバイザーが、求人案件の紹介・応募書類添削・面接対策など、転職活動の全工程をトータルサポートしてくれます。
また、ハイスタ会計士で扱っている求人案件は、完全非公開のものばかりなのも特徴的です。求職者の経歴や希望から、ミスマッチが少ない求職案件を提案してくれるでしょう。
公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/
マイナビ会計士は、現役公認会計士・公認会計士試験合格者・USCPA専門の転職エージェントサービスです。
マイナビ会計士は、総合求人情報を提供する「マイナビ」の系列サービスです。そのため。監査法人、一般事業会社、コンサルティングファーム、金融機関など、幅広い選択肢を求職者に提示してくれます。
「できるだけ多数の求人案件に触れたい」とご希望なら、マイナビ会計士のような大手サービスから活用してみると良いでしょう。
公式サイト:https://cpa.mynavi.jp/
ビズリーチは、即戦力採用・ハイクラス転職案件を中心に扱う転職サイトです。
取り扱う求人案件の1/3以上が年収条件1,000万円以上なので、高収入案件に触れたい人に適しています。
また、スカウト型転職サイトなので、転職活動の手間をかけずに済む点も魅力でしょう。
さらに、スカウト型転職サイトでありながら、優秀なヘッドハンターに相談する機会があるので、転職活動の成果が出ない時には定期的に公開情報の見直しなどによってスカウトされる可能性を高めることもできます。
公式サイト:https://www.bizreach.jp/
公認会計士としてのキャリアの将来性を豊かなものにするには、資格取得後も研鑽を積んで、自分のスキル・経験を活かすことができる環境に身を置くことが重要です。
そのためには、自分が公認会計士としてどのようなキャリアを歩みたいのか、どのような条件で仕事をしたいのかを明確にしましょう。
edit_note この記事を書いた人
一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
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