監査法人から転職
更新日:2024/04/23
公開日:2024/04/22
事業会社では会計基準の高度化や国際化にともない、複雑かつ専門的な業務に対応できる公認会計士の採用ニーズが高まっています。
また公認会計士側としても、ワークライフバランスを取りやすく雇用の安定性が高い事業会社への転職を希望するケースが増えており、近年は公認会計士から非常に人気が高い転職先となっています。
ただし、働き方や転職後のキャリアパスを考えたときには、必ずしもすべての公認会計士にフィットする転職先とは言えません。事業会社への転職を考える場合はメリット・デメリットをよく理解し、慎重に判断することが大切です。
目次
事業会社では、主に「大手上場企業」「外資系企業」「ベンチャー・スタートアップ企業」のいずれかで公認会計士を求めています。
大手上場企業では企業結合や連結決算などの複雑・専門的な会計処理が多いため、公認会計士のニーズが高いです。海外進出する企業も多いので、海外連結やIFRSでの決算書作成など国際領域での経験が豊富な公認会計士も求められています。
また法定監査の対象となるため、監査法人対応で専門的なやり取りができるのも公認会計士の強みといえるでしょう。
グローバル化の影響により、日本に進出している外資系企業の数は増加傾向にあります。それにともない、外資系企業でも会計関係の業種で採用を行っています。外資系企業は一般に有資格者を高く評価する傾向があるので、公認会計士やUSCPA(米国公認会計士)はチャンスが大きいでしょう。
特に国際会計・米国会計経験者、外資系企業の子会社の監査経験者、海外駐在経験のある方などはほかの応募者との差別化を図りやすいです。
ただし外資系企業の場合、業績悪化による日本市場からの撤退、成果を挙げられなかった場合の雇用解除といったリスクがあります。公認会計士に限りませんが、日系企業とは違う厳しさと再転職の可能性についても頭に入れておく必要があります。
ベンチャー・スタートアップ企業では特に「上場」をキーワードとして、数値に強い公認会計士を求めています。基本的にはIPO準備企業または新興市場上場企業のどちらかを選ぶことになるでしょう。
大手上場企業では経理・財務などのほかにM&Aや再編等の特殊業務を担当できる人材を募集していますが、ベンチャーやスタートアップ企業は一人で会社全体の数値を把握・俯瞰できる人材が求められます。
また会計以外にも、法務や人事・労務など専門外の業務にも従事するケースが多いので、バイタリティのある人材かどうかも考慮されます。
事業会社で公認会計士を求めているのは以下の部署が中心です。
事業会社で公認会計士のニーズがもっとも高い部署が経理・財務です。経理では日々の入出金の記録や財務諸表の作成、財務では金融機関からの資金調達や資金の運用計画、監査法人対応などを行います。
特に海外展開やM&Aなど、より専門的な会計処理や知識を必要とする上場企業で経理・財務のニーズが高い傾向にあります。
業務上の不正・不祥事の防止や業務の効率化を目的として内部監査室が設置されている企業もあります。監査法人出身者歓迎の求人が多く、ポジションも下げることなく転職できる可能性が高いです。
難点としては内部監査室を置く企業が限定され、かつ募集枠も基本的に1名なので求人はそれほど多くないことです。ただしフィットする人ならすぐに転職できる可能性があります。
企業のブレーンとして経営判断に関わる業務に就くのが経営企画室です。中期経営企画や予算の策定、事業戦略の立案、M&Aに関する業務やIFRSの導入などの幅広い業務に携わります。
経営企画室の場合は監査経験を直接活かせるわけではないので、会社側も監査+M&A業務の経験やITに関する知識などプラスαの経験・知識がある人材を求めています。
株式市場への新規上場(IPO)を目指して準備中の企業でも、確かな知見をもとに的確にアドバイス・サポートしてくれる公認会計士のニーズがあります。上場するには厳しい上場審査基準をクリアする必要があり、企業会計に精通した公認会計士の存在が不可欠だからです。
IPOに向けた準備内容としては事業計画の策定や株式の整理、内部統制の構築など多数あります。
事業会社へ転職するべきか迷っている場合は、転職するメリット・デメリットを整理してみましょう。事業会社へ転職するメリットは以下の通りです。
事業会社はクライアントワークの監査法人と異なり、基本的に自社の業務をこなすためスケジュールが立てやすいのが特徴です。また近年は企業価値を決めるうえで労務管理の徹底が欠かせない社会になっているため、社会的影響力の大きい大手を中心に労働時間が抑制されています。残業なく定時で帰れる日も多いので、ワークライフバランスを保ちやすいでしょう。
事業会社では社員に長く安心して働いてもらうために、住宅手当や扶養手当などの各種手当のほかに社員食堂や保育料補助、医療費補助などの福利厚生が充実しています。監査法人でもBIG4や準大手ではある程度の福利厚生はありますが、事業会社ほどではありません。
年収では監査法人のほうが高いですが、福利厚生を含めて考えるとその差はそれほど気にならないという方も多いでしょう。
退職金については給与と違って確実に支給されるわけではなく、制度の有無や内容は勤務先によって異なります。一般には監査法人と事業会社ではいずれも退職金は支給されるケースが多いでしょう。
ただし金額に関しては監査法人よりも事業会社のほうが多いと考えられます。退職金の計算方法は基本的に「基本給×勤続年数×給付率」となり、この点は監査法人も事業会社も変わりません。
しかし、事業会社では勤続年数に応じて給付率が上がっていくケースが多く、一方の監査法人では同じ職位のままでいると退職金が積み上がらない仕組みが存在するためです。
公認会計士を志した理由が「日本企業の成長を支えたい」という方は少なくありません。もちろん監査法人にいても日本企業の成長に寄与できますが、あくまでも客観的な外部の立場になります。事業会社に転職すると企業の内部から、当事者のひとりとして自社の成長に貢献できます。
監査法人でインチャージを経験していると、事業会社では管理職としての転職も可能です。一般に管理職として転職するにはマネジメント経験が必要ですが、転職市場ではインチャージの経験=マネジメント経験と判断されるためです。
続いて事業会社へ転職するデメリットも確認します。メリットばかりを気にして後悔するケースも散見されるので、特にデメリットの部分について納得できるのかをイメージしておきましょう。
監査法人の監査部門で働く場合、1~2週間単位でクライアント企業を訪問して作業し、監査が終われば次のクライアント企業へ訪問して作業を行うという日々の連続です。
監査法人内で業務に就く場合もフリーデスクやリモートワーク、フレックス制などが採用されているケースが多く、固定化された場所・時間内に作業することは多くありません。
一方、事業会社では毎日同じ場所で、決まった時間に働くのが通例です。もちろん一部の事業会社ではフレックスやリモートワークなどの導入は進んでいますが、監査法人と比べて整備されていないケースが多いため、制限のある働き方に息苦しさを感じる可能性があります。
監査法人では当然ながら公認会計士の専門性や職務内容に対して深い理解がありますが、事業会社ではそうはいきません。極端な言い方をすると、数字に関係する業務なら何でも詳しいと思われて専門外の分野でも活躍を期待される場合があります。
また公認会計士の専門性をある程度理解している事業会社であっても、「もっと会社のことを知ってもらうために」と言ってほかの部署を兼任させられるケースもあります。
事業会社の業務のうち、特に経理では定型的な仕訳入力などのルーティンワークも多く発生します。事業会社では公認会計士の資格自体に価値があるわけではないので、会計士だからという理由でルーティンワークから逃れることはできません。
監査法人では監査を一通り経験すると業務がルーティン化されてくるため、「ルーティンワークがつらい・つまらない」という理由で辞める人が少なくありませんが、このような人は事業会社に転職しても同じような感情を持ってしまうでしょう。
https://twitter.com/Mayoi_career/status/1355868142308794375
監査法人にいると同僚や先輩も公認会計士なので、分からないことがあればすぐに周囲に質問できる環境だったです。会計という共通言語があるので話も通じやすいでしょう。
しかし、事業会社の場合はその部署に公認会計士が一人というケースも多くあります。
周囲に会計の専門家はいないので、分からないことは自分で解決しなければなりません。むしろ公認会計士ということで、よくいえば頼られますが、何でも知っていると思われて何かと質問される立場になるかもしれません。
営業や製造など全く業務内容が異なる職種の人とも協力して仕事を進める必要があるので、
専門用語を使わずに誰でも分かる言葉で丁寧に伝える必要も出てくるでしょう。コミュニケーションの取り方という点でこれまでと大きく変えていく必要があり、公認会計士自身の工夫も大切になります。
公認会計士が事業会社へ転職する場合、経理・財務や内部監査室、経営企画室などこれまでの経験・知識を活かせる部署に配属されるのが一般的です。企業側も公認会計士という高度な専門職を採用する以上、基本的にはその分野で活躍してほしいと考えています。
ただし事業会社では異動の可能性があり、公認会計士といえども業績や人材不足などの影響で全くの畑違いの部署へ異動になる可能性がないとは言い切れません。また会計関係の部署であっても、本社から支社へ、あるいは工場経理などへ勤務地が変わるケースも考えられます。
監査法人にいると別部門への異動や転勤はほぼありませんが、事業会社ではその可能性がどのくらいあるのかを転職前に確かめておくべきです。
監査法人では入所から1年~4年目はスタッフとして働き、年収500万~700万円くらいです。5年目からは基本的にシニアスタッフになり、年収は900万円前後、マネージャー以上になると1,000万円を超えてきます。
はやい人だと20代からこれだけの高年収を稼ぐわけですが、一般的な事業会社ではこうはいきません。何年もかけて社内で昇進し、管理職になってようやく同程度の年収になるかどうかです。そのため公認会計士が監査法人から転職すると年収は下がるケースが多いです。
事業会社への転職はこのようなデメリットがあるとお伝えしましたが、これは転職する事業会社選びをしっかりやれば回避できる可能性が高いです。
経験のある公認会計士には裁量を持って働いてもらうことで高いパフォーマンスを発揮することをわかっている企業、ないし理解のある経営体制であれば、働き方に制限があったり、年収が下がるケースも少なくできます。
ベンチャーで経理・会計士を募集する企業は、多くの場合上場準備中である可能性があります。上場準備中に転職することでストックオプションの発行や、もし3年後に上場できれば高年収への期待もできますし、なんといっても次の転職が非常に簡単です。短期間で濃い経験が積めて大きくレベルアップできるのもメリットでしょう。
年収(万円) | 決定者・決定求人内容の特徴(定性情報) |
1000~ | ・規模や業種を問わず、財務・リスク管理・IFRS・IRの責任者や部長以上の案件が中心。 ・経理経験10年以上、公認会計士資格・経験、上場支援など高度な財務業務の経験、上場企業での決算経験、管理職経験、監査法人・会計コンサル企業での会計関連業務経験。英語力が求められる場合もある。 ・40代~50代、同職種からの転職が多く、転職経験は2回以上が多い。20代~30代でコンサルティング業界から専門職としての転職もある。 |
800~999 | ・経理・IRの責任者、マネージャー、リーダー。企業規模が小さくなると総務、広報などの責任者と兼任の場合も多い。 ・経理経験5年以上、上場企業での経理財務経験、決算経験、IR経験、管理職経験、公認会計士、簿記2級以上。英語力が求められる場合もある。 ・30代後半~50代、同職種からの転職が多く、転職経験は2回以上が多い。 |
600~799 | ・経理の部長候補、課長、リーダー、スペシャリスト候補。 ・経理財務・IRなどの経験3年以上、上場企業での経験、管理職経験、簿記2級以上、英語力が求められる場合もある。 ・30代~40代前半、同職種からの転職が多く、転職経験は2回以上が多い。 |
400~599 | ・経理のリーダー候補や担当者、経営分析の担当者など。 ・ほとんどが経験者で、経理財務、IRなどで3年以上の経験、簿記2級以上。英語力が求められる場合もある。 ・20代後半~40代、他職種からの転職も多い。 |
300~399 | ・役職なしの担当者レベル。 ・多くは経験者だが未経験者も多い。簿記3級もしくは2級以上。 ・20代後半~30代前半、他職種からの転職が多い。 |
CFOは財務・経営企画の中核を担うポジションですので、その目標を達成するためにかなりストレッチの効いた仕事になりますが、強いリーダーシップを発揮することが求められますので、裁量が大きく、働き方に息苦しさを感じることも少ないでしょう。
大手企業でCFOになるのは至難の業ですが、人手不足のベンチャー企業の場合財務知識があると判断され、経営者と上手くコミュニケーションが取れればCFOになりやすいでしょう。
ベンチャー企業の求人を扱うエージェントは多くいますが、ベンチャー企業のCFO求人を扱う会社は多くありません。また、求人数を多く扱っていてもただ求人を送りつけてくるだけの転職エージェントも避けるべきでしょう。
下記では、求人数はもちろん、会計士の業務内容や事業会社内部をしっかり理解している転職エージェントをピックアップしましたので、参考にしていただけますと幸いです。
公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/
「ハイスタ会計士」は、公認会計士・財務・経理人材専門の転職支援サービスです。
業界特化型の転職エージェントのため、求人数は大手には及ばないものの、丁寧なサポートとミスマッチのない求人の質に定評があります。応募書類の添削や面接対策も個別サポートにも力に入れており、スカウトメールに応募をしても受からない、書類で落とされるといったことが極端に少なくなるのも魅力の一つ。
前進は弁護士特化領域でのサービス展開をしていた関係で、士業関係者の転職ノウハウや業界ならではの勘所を抑えた提案が可能です。
公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/
公式サイト:https://cpa.mynavi.jp/
「マイナビ会計士」は会計士・試験合格者・USCPA専門の転職エージェントです。手厚いサポートと質の高い紹介を受けられると評判で、公認会計士がまずは利用を検討するべきエージェントの筆頭となります。
業界に精通したアドバイザーから的確なアドバイスを受けられる点、職務履歴書の添削指導や推薦状の作成、個別の面接対策など徹底したサポートを受けられる点が魅力です。マイナビエージェント本体と連携した豊富な求人があり、独自求人も多いので幅広い選択肢をとれます。
求人傾向としては、コンサルティングファームへの転職実績が高く、経験の少ない若手公認会計士や女性公認会計士の個別の悩みにそった転職支援にも強みがあります。
公式サイト:https://cpa.mynavi.jp/
公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/
「ジャスネットキャリア」は公認会計士・税理士・経理の転職支援に特化した転職エージェントです。業界特化型であるため専門的なアドバイスができる点、独占求人が多い点が強みであり、公認会計士の利用率も高くなっています。
担当者は現場とのコミュニケーションを密にとっているため、現場の意向を反映したミスマッチの少ない提案を受けられます。将来的なキャリアプランの提案力にも定評があるので、自分では考えなかったキャリアの道筋も広がります。
求人傾向としてはコンサルティングファーム・シンクタンク、USCPA保有者向けの求人が豊富ですが、監査法人や会計事務所も万遍なく扱っています。
公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/
ここからは、事業会社へ転職した後にどんなキャリアパスがあるのかを見ていきましょう。
定年まで勤め上げることを前提に、自社で昇進して管理職を目指すのが王道のキャリアパスです。特に業績や雇用が安定している大手上場企業の場合は、事業会社を最終キャリアとする人が多い傾向にあります。
事業会社からコンサルティングファームへ転職する人もいます。大企業をクライアントとするファームでは大企業での業務経験がある人が有利ですし、事業会社ではファイナンス寄りのスキルが身につくので、その点で評価される可能性があります。
特に経営企画室では論理的思考能力やコミュニケーションスキルが身につくので、優秀なライバルたちとの競争も勝ち抜ける可能性があるでしょう。
事業会社では税務スキルが身につくので会計事務所への転職もフィットしやすいです。特に将来的に開業を考えている場合は会計事務所の経験を積んだほうがよいでしょう。ただし転職理由の面で、監査法人からの直接の転職ではなくなぜ事業会社を経由したのかは採用側も気になる部分です。
説得力のある理由を用意しておく必要があります。
公認会計士のキャリアの選択肢は多数ありますが、「ワークライフバランスが取れそうだから」「ニーズがありそうだから」と、どんな経験を積めるのかも考えずにとりあえず事業会社へ転職するのは危険なので注意しましょう。
想定した業務を経験できずにその後のキャリアの選択肢が狭まった、事業会社=残業が少ないとの思い込みから思うようなワークライフバランスを実現できずに後悔したなどの失敗が散見されます。
事業会社への転職は目的を持って決断するべきです。事業会社で何をしたいのか、その後のキャリアにどう活かすつもりなのか、また希望が通る環境なのかなど確認するべき点は多くあります。
公認会計士は事業会社に転職できる可能性が高いですが、特に以下の人材は歓迎されます。
インチャージの経験があるとマネジメント経験ありとみなされるため、採用される可能性が上がります。監査法人では20代の若手のうちからインチャージを経験できるケースが多く、これは一般企業でマネジメント経験を積める年次と比較するとかなり早いです。
ほかの応募者との競争で大きなアドバンテージになるので、できればインチャージの経験を積んでから転職するのがおすすめです。
ただしベンチャーやスタートアップ企業への転職の場合は、ハングリーさやバイタリティといった内面が評価されるケースが多く、必ずしもマネジメント経験は必要ありません。インチャージの経験を積むまで待つよりも、とにかく若いうちに動き出したほうが有利に働く可能性があります。
監査法人では公認会計士の独占業務である監査を行うので、公認会計士としての能力を見られます。しかし事業会社では公認会計士ではなく一人のビジネスマンとして扱われるため、会計・財務の以外の能力も高い人が有利です。
たとえばコミュニケーション能力や実務遂行能力、プレゼン能力などが挙げられますが、要は総合力が高い人が採用されやすいでしょう。
事業会社の中でも頻繁にM&Aを行う場合やIPOを目指している場合は、これらの業務経験がある人材が重宝されます。加えて公認会計士であれば会計知識やファイナンスの素養があるので、事業会社への転職では特に有利に働くでしょう。
事業会社では長期のキャリア形成を基本として組織風土にフィットしやすい人材を求める傾向が強いので、年齢は若いほうが有利です。一般に若いほど柔軟な考え方ができて組織になじみやすく、教育・指導する側の負担も小さいと考えられているためです。
最後に、公認会計士が事業会社への転職を成功させるポイントを解説します。
公認会計士が事業会社へ転職する場合、採用側は「なぜ事業会社を選ぶのか」と同時に「なぜこの会社を選ぶのか」に興味があります。そのため転職活動の際には興味がある事業を展開する会社を選ぶことが大切です。
採用側にも説得力のある転職理由を伝えられるでしょう。また興味がある事業であれば、転職後もモチベーションを高く保って働くことができます。
事業会社の社風はのんびりして温厚な人が多い、体育会系のノリが強いなどさまざまですが、重要なのは自分の性格や考え方にフィットする社風かどうかです。社風が合わずに1年足らずで辞めてしまう例も散見されるので、キャリアに余計な傷をつけないためにもよく確認しておきましょう。
事業会社で何ができるのかは会社規模に大きく関係してきます。大規模な会社では複雑・高度な会計処理などに関与できる可能性がありますが、作業が分業化されており専門性を高められない可能性があります。
この点、中規模の会社であれば転職してはやい段階から会社の業務全体を把握できるかもしれません。規模が大きい会社ほど年収や待遇面は恵まれている傾向がありますが、それだけで選ぶと自分が経験したい業務を経験できない場合があり、注意が必要です。
公認会計士の知識・経験は事業会社でも大いに発揮できますが、監査法人と違って公認会計士(資格)を必要としているわけではないため、専門外の領域でも活躍を期待される場合があります。
専門外だから、自分は公認会計士だからといった考えでは思うように活躍できない可能性があるため、専門外の領域であっても積極的に知識やスキルを身につける努力を怠らないようにしましょう。
事業会社への転職では職場の雰囲気や残業時間、公認会計士に何を求めているのかなど詳細の情報を確認することが必要ですが、個人でこうした情報を収集するには難しい面があります。
公認会計士の転職に強い転職エージェントに相談すれば個人では収集しにくい細かい情報も提供してくれるため、失敗のリスクを大きく減らすことができます。
事業会社における公認会計士のニーズは非常に高いです。ただし事業会社への転職にはメリット・デメリットがあるため、本当に自分に向いている転職先なのかは慎重に判断する必要があります。
まずは公認会計士の転職事情に詳しい転職エージェントにキャリア相談をするところから始めてみてはいかがでしょうか。
edit_note この記事を書いた人
一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
Related Article関連記事