公認会計士の面接対策ガイド|事前準備や当日の注意点・好印象を持ってもらう必勝パターンは?

公認会計士の転職

更新日:2023/03/24

公開日:

公認会計士の転職活動では、面接対策に不安を感じる方が多くいます。

公認会計士試験に合格すると最初に監査法人に就職する人が大半なので、定期採用の特殊性からほかの学生のような就職活動を経験していない人も多いでしょう。

日常的にクライアントやチームメンバーとコミュニケーションをとる職種なので面接には自信があると思われがちですが、意外にも苦手意識が強い人も少なくないようです。

そこでこの記事では、公認会計士の面接対策について解説します。面接前の準備から当日の対策、応募先ごとの傾向などを確認しましょう。

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公認会計士が面接対策の前に知っておくべき基本情報

最初に、公認会計士の中途採用面接に関する基本的な情報をお伝えします。

中途採用面接の回数

面接の回数は応募先によって異なりますが、中小会計事務所や中小監査法人は基本的に1回、多くても2回です。

大手会計事務所や大手監査法人、一般事業会社は2~3回行われます。コンサルティングファームも2~3回ですが、戦略コンサルは5回ほど実施する場合があります。なお、面接の所要時間は1回あたり60分が目安です。

面接の基本的な流れ

大きくは、入室→自己紹介→質問→条件説明→逆質問という流れで行われます。

最初に自己紹介を求められることが多いので、1分程度で手短にまとめられるようにしておきましょう。このとき面接官は、話している内容はもちろんですが、それ以上に表情や話し方などに注目しています。

第一印象が決まる場面なので笑顔や丁寧な話し方を心がけましょう。その後、転職理由をはじめとする質問に入り、条件の説明などがあった後、最後に逆質問で面接が終了します。

筆記試験や適性検査について

監査法人や会計事務所では、公認会計士に対して筆記試験や適性検査が行われることは少ないです。

ただし、会計事務所では稀に税務や簿記に関する試験が行われる場合があります。一般事業会社とコンサルティングファームでは筆記試験や適性検査が行われるケースも多いようです

試験・検査の有無は事前に応募前に分かるケースがほとんどなので、実施される場合は対策しておきましょう。

面接の雰囲気

公認会計士の中途採用面接では新卒の面接のように堅苦しい雰囲気はそれほどありません。求職者の人柄を知るために、雑談なども交えながらフランクな雰囲気で行われることが多くあります。もっとも、だからといって話し方や態度を崩していいわけではありません。

近年多い「Web面接」について

新型コロナウイルスの影響でWeb面接を実施する企業が増えました。公認会計士業界でも、クライアントとのやり取りに必要なWeb会議を早々に導入した関係で、中途採用の面接でもWeb面接が浸透しています。

Web面接は通常の面接とは異なる注意点があるので、Web面接を受けることになったら事前に調べておくことをおすすめします。

(例)

  • 自宅の回線環境やマイクなどは事前に確認しておく
  • アプリやソフトのインストールが必要なものも2日前までには終わらせる
  • 音声が途切れてしまった場合はしっかりと聞き返し、「何となく」で答えない
  • 電話など音の出るものを近くに置かない 
  • 身振り手振りや相槌は大きめにする など

また、先方から「Web面接か対面での面接を選んでください」と言われる場合もあります。その場合は、特別な事情がない限りは対面での面接をおすすめします。

対面のほうが、表情などが伝わりやすく、心理的な距離も近づきやすいからです。また実際に訪問したほうが、ほかのスタッフの方や職場の雰囲気などを感じとることができます。

面接の事前準備として必ず実施をおすすめするもの

続いて、面接前にどんな準備が必要なのかについて見ていきましょう。

キャリアの棚卸し

キャリアの棚卸しは「転職先の選定」と「面接対策」の2つの側面から重要です。転職先の選定については、キャリアを整理することで自分のキャリアが活かせる応募先を選ぶことができます。

また面接ではこれまでの経歴、転職の経緯、現職の業務内容などを質問されます。キャリアの棚卸しをしておくことでこれらの質問にもスムーズに対応できるでしょう。特に応募先で求められるスキルとの関連性が大きいほど、面接でアピール材料にもなります。

転職理由と志望動機の整理

転職理由は、転職すると決めた理由のことです。年収を上げたい、もっと専門性を極めたいといった理由があるはずです。

志望動機は、なぜその企業へ応募したのか、またはその企業なら自分のやりたい仕事ができると思った理由のことです。

転職理由と志望動機は異なるものですが、リンクしています。たとえば専門分野を極めたいという転職理由があり、かつ応募先がその専門分野を得意領域としていたため志望したのなら、説得力が生まれるでしょう。

キャリアビジョンの設定

キャリアビジョンとは、自分自身が将来どうなっていたいのか、思い描く理想像のことです。キャリアビジョンをもとにより具体的なキャリアプランを立てることで、今自分が何をするべきか、すなわちどんな転職先を選ぶべきかが明確になります。

キャリアビジョンは面接でも質問されるので面接対策にもなります。具体的なキャリア設計にもとづく応募であること、定着性のある人材であることを理解してもらえるでしょう。

「これまでのキャリア」「転職理由・志望動機」「キャリアビジョン」の3つについて、一貫性のある受け答えができるよう準備しておいてください。

企業研究・分析 

応募先の事業内容や社風、どんな人材を求めているのかなどを把握するために企業研究を行います。面接では、なぜ応募先の企業を選んだのかについて質問されます。これには応募先のことをしっかり理解したうえで応募しているのかといった疑問が含まれています。

また、応募先の研究のみならず、競合他社の研究も必要です。そうしないと、他社ではなくその応募先を選んだ理由を説明できず、「それって他社でも実現できるよね?」と言われてしまいます。

マイナス評価になりそうな要素に対する回答の準備

自身の経歴でマイナス評価になりそうな懸念材料がある場合は、その点を間違いなく質問されると思っておきましょう。具体的には「転職回数が多い」「経歴に長めのブランクがある」「前職を短期間で辞めた」などが該当します。

たとえば転職回数が多い場合、「転職回数が多いのはなぜですか?」という直接の聞き方のほかに

  1. 「上司や周囲とうまくいかないときにどう乗り越えますか?」
  2. 「仕事で一貫して大事にしていることは何ですか?」など

転職回数が多い理由が何かを間接的に探る質問におよぶ場合もあります。面接で質問されて慌てないためにもしっかり準備しておきましょう。

面接当日の対策

ここからは面接当日の対策や注意点について解説します。

身だしなみ

公認会計士はクライアントと接する機会の多い仕事なので身だしなみは非常に大切です。身だしなみのレベルとしては、「もっとも厳しいクライアントと接したときでも失礼にあたらない身だしなみ」を意識するとよいでしょう。

  1. 服装……
    男性は黒か紺のスーツにネクタイ、靴下の色はスーツに合わせます。女性はパンツでもスカートでも問題ないですが、ジャケットを着用するなどビジネスにふさわしい服装を心がけましょう。どちらも服に汚れやしわがないか、肩にふけが落ちていないかを確認してください。
  2. 髪型……
    前髪が目にかかっていないか、お辞儀をしたときに顔にかからないかをチェックしましょう。職業柄、真面目な雰囲気と清潔感があることが大事です。
  3. 靴……
    傷や汚れ、ヒールのすり減りなど細かいところまでチェックしてください。

そのほか、顔(ひげやメイク)や手・指・爪、マウスケアなど隅々まで気を配りましょう。当日の天気予報は必ずチェックし、悪天候が予想される場合は傘やハンカチなどを持参してください。

面接中の態度

面接中の態度を通じて、人柄や組織との相性などをチェックされています。声の出し方や挨拶の仕方、姿勢や表情に気を配りましょう。緊張すると早口になる人がいますがあまり印象がよくありません。ゆっくりと丁寧に話すよう意識しましょう。

公認会計士の面接でよく質問される内容 

公認会計士の面接でよくされる質問について見ていきましょう。

転職理由と志望動機

転職理由と志望動機は必ず聞かれる質問です。転職理由を聞く理由は、応募者が短期間で退職を考えないかどうかのリスクチェックと、自社とのマッチング度を確認する意味があります。

志望動機を聞く理由は、応募者の意欲を測るためです。ほかの企業や法人でも実現可能な内容になっていないか、具体的な内容になっているかを確認しておきましょう。

これまでの経歴、現職の業務内容

経歴や現職の業務内容を質問するのは、どんな分野で活躍できる人物なのか、即戦力になるのかなどを確認するためです。

経歴や業務内容の質問では、「簡単に」と言われる場合と「詳細に」と言われる場合があります。「簡単に」と言われたら脱線しないよう簡潔に答え、「詳細を」と言われたら年数や実績、役割など掘り下げて答えます。

成果をあげた部分については具体的なエピソードを交えて答えるとよいでしょう。

今後のキャリアプラン

キャリアプランを質問する理由は、応募先のビジョンとかけ離れていないか(ミスマッチにならないか)の確認や、目標設定力・実行力を確認するためです。3年、5年、10年後のキャリアプランを説明できるようにしておいてください。

自己PR

企業が自己PRを求めるのは応募者が入社後に活躍できるのか、自社にマッチするのかを知りたいからです。

これまでの経験を通じて得た強みや自分の考え方、それらを仕事でどのように活かしていきたいのかを、具体的なエピソードを交えて伝えましょう。

自己紹介と同様に「1分程度で話してください」と言われる場合があるので、簡潔に述べられるよう練習しておいてください。

逆質問

「最後に何か質問はありますか?」と聞かれます。逆質問にはクライアントへの「質問力」を試す意図もあるので2~5個ほど用意しておきましょう。

たとえば職場の雰囲気や活躍している人の年齢・経歴、応募先の将来のビジョンなどです。何もないと応募先への熱意・興味が薄いと思われてしまうので、その意味でも逆質問は必ずしましょう。

ただし、求人票やHPに掲載されている内容を質問すると準備不足と捉えられます。また逆質問の際に条件面について詳しく質問するのはNGです。採用が決まった後にオファー面談と呼ばれる条件提示の面接があるので、その際に確認しましょう。

その他よくある質問

公認会計士の面接ではほかに以下のような質問を受ける場合があります。

  • 英語のレベル
  • 長所や短所、強みや弱み
  • 公認会計士資格を取得した理由
  • 大学での専攻内容
  • ほかにも応募している企業や法人があるのか、あるなら他社の選考状況 など

このほかに「納期が厳しいときはどうやって乗り切りましたか?」「専門知識がないクライアントからの質問にはどんなふうに答えますか?」など具体的な状況に関する質問を受ける場合もあります。

面接当日にやってはいけない行為

自分では気づかないうちにやりがちなのは「聞かれた質問に答えていない」ことです。

緊張からか質問に対する回答になっていないケースがあるので、相手の話をしっかりと聞いて答えましょう。結論から述べ、その後に理由や具体例で補強するよう意識すると、的外れな回答を避けられます。

ほかにも以下の行動はNGです。

  1. 遅刻……
    時間管理はビジネスで非常に重視されるので遅刻は絶対にNGです。注意点として、早すぎる訪問もマナー違反にあたります。必要訪問の目安は3分~5分前です。早く着きそうな場合は面接会場の近くで時間をつぶし、時間になったら訪問しましょう。
  2. 携帯電話の着信音……
    マナーモードの振動音も面接の場では響くので電源を切っておきましょう。
  3. NGワード……
    前職の悪口や年収等の条件面ばかりを質問するのは印象がよくありません。

応募先別|面接の傾向と対策

公認会計士の応募先ごとに面接の傾向と対策を解説します。

会計事務所

会計事務所の面接は1回のみ、所長が行うことが多いので、第一印象が非常に大切です。笑顔とハキハキとした挨拶を心がけましょう。面接では所長との相性や事務所になじめるかなど人物像を中心に確認されています。

また会計事務所では人材を育成・教育する余裕はなく即戦力を求めているため、退職理由の伝え方が重要です。小規模なケースが多い会計事務所では退職者が出ることが大きなリスクなので、前職をなぜ辞めたのかが非常に気になるからです。

ネガティブな退職理由の場合はポジティブに伝える必要があります。たとえば退職理由が「監査がつまらない」のなら、「クライアントにより近い立場で仕事がしたいと思った」などと前向きな理由に変換して伝えるようにしましょう。

税理士法人

税理士法人も面接は1回のみのケースが多いので、入念に準備して好印象を与えられるようにしましょう。

税理士法人の場合は経歴や保有スキルに加えて今後の「伸びしろ」も確認しています。監査法人や一般事業会社から転職してくる公認会計士の場合、税理士法人では即戦力で活躍できるだけのスキルを身につけているケースばかりではないからです。

そのため税理士法人で活躍するためにどんなスキルが足りないのかを把握し、それを補う方法をアピールできるようセットで準備しておく必要があります。

税理士法人では競合他社ではなくその法人を目指した理由を聞かれるケースが多いので、企業研究は他法人も含めて念入りに行ってください。

監査法人

監査法人の面接では一次面接が現場のマネージャークラス、二次面接があればパートナーになるケースが多いです。

社風へマッチしているか、論理的思考ができるかを中心に見られています。また実務的な内容を掘り下げて質問される場面が多いので、これまでの業務内容はしっかり洗い出しておきましょう。

監査法人でも法人ごとの特徴や社風をよく把握しておくことが大切です。特徴を把握したうえで面接に臨むことで、応募先の法人のどんな点に魅力を感じたのかを説得力をもって伝えることができます。

一般事業会社

一般事業会社では一次面接が現場の課長クラス(場合によってはリーダーが同席)、二次面接が人事部長、三次面接が役員クラスとなります。

ほかの応募先との違いとして、公認会計士資格は重要ではないので、1人のビジネスマンとして貢献できるという点をアピールしましょう。事業会社で活かせる業務経験をわかりやすく伝えることが大切です。

注意点は、相手に合わせた伝え方をすることです。事業会社の場合、現場の課長クラスであれば専門的な内容を含めて実務の話が伝わりやすいのですが、二次面接と三次面接の面接官には会計分野の専門知識がないケースが少なくありません。

専門知識のないクライアント相手に話をするときのように、専門用語を使わず伝えることを心がけてください。また役員面接では実務的なことをアピールするより、熱意を伝えるほうが大切です。

一般事業会社の面接では、「なぜ監査法人や会計事務所などの公認会計士の専門性を活かせる場所ではなく、事業会社を選んだのか」を質問されるケースが多いです。さらにその会社を選んだ理由にも質問がおよぶので、しっかり準備しておきましょう。

コンサルティングファーム

コンサルティングファームの面接は対策する範囲が広いので、ほかの応募先以上に時間をかけて準備する必要があります。

大きな特徴として「ケース面接」が実施されます。論理的思考を用いてその場で回答を導く力が必要なので一朝一夕にはいきません。

現在の仕事や日常生活の中でも常に論理的に考える癖をつけておいてください。もちろん、ケース面接以外に通常の面接もありますし、適性検査が行われる場合もあります。

コンサルティングファームでは論理的思考ができるか、コンサルタントとしての素養があるのかをチェックされています。質問の意図を的確に押さえ、それに対する回答ができるよう意識しましょう。曖昧な言い方は避けて端的に、あるいは数字を用いて具体的に答えることを心がけてください。

よくある質問としては、

  1. 「コンサルの仕事内容をどれくらい理解しているのか?」
  2. 「リーダーとしてプロジェクトに取り組んだ経験は?」
  3. 「イノベーションが起きる組織とはどんな組織?」

等があります。

個別の面接対策についてはハイスタ会計士に相談を!

ここまで紹介したのはあくまでも傾向なので、応募先でどんな面接が行われるのか、どんな対策が必要になるのかは個別に判断しなければなりません。そのため面接対策については転職エージェントへ相談することをおすすめします。

転職エージェントのアドバイザーを利用することで、応募先ごとの傾向にそった精度の高い面接対策ができます。

エージェントからのアドバイスによって自分でも気づかなかったアピールポイントが明確になる場合があるので、面接対策を含めてまずは相談しましょう。

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まとめ

公認会計士はまだまだ売り手市場が続いているため、書類選考は楽に通るという方は少なくありません。

しかし面接についてはうまく対策できずに失敗してしまう人も散見されます。面接対策は事前の準備から丁寧に行うことが大切です。面接対策の方法がわからない方は転職エージェントに相談しながら計画的に準備を進めましょう。

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ハイスタ編集部

一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。

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