公認会計士は副業できる!おすすめ・スキルが活きる副業や注意点を解説

公認会計士の転職

更新日:2026/06/17

公開日:

公認会計士として働きながら、副業で収入を増やしたい・スキルを広げたいと考えている方は少なくありません。一方で「就業規則的に大丈夫?」「どこで案件を探せば良い?」と不安を感じている方も多いでしょう。

この記事では、副業の法的な位置づけから、おすすめの副業7選・案件の探し方・注意点まで、公認会計士が副業を始める際に知っておくべき情報を網羅的に解説します。

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目次

公認会計士の副業は法律上問題ない

公認会計士が副業を行うこと自体は、法律上禁じられていません。公認会計士法には副業を直接制限する条文はなく、一般的な労働者と同様に複数の収入源を持つことが認められています。

ただし「法律上問題ない」と「職場のルール上問題ない」は別の話です。勤務先の就業規則や雇用契約で副業が制限されているケースは多く、無断で始めると懲戒処分のリスクがあります。また、公認会計士には独立性や守秘義務に関する職業倫理上のルールもあり、副業の内容によっては抵触する可能性があるでしょう。

副業を検討する際は、まず就業規則の確認と、必要に応じた職場への申請が出発点となります。

就業規則の確認は必須

副業を始める前に、まず勤務先の就業規則を確認することが不可欠です。日本では2018年にモデル就業規則が改定され、副業・兼業を原則容認する方向性が示されましたが、あくまで指針であり、各企業が独自のルールを定めることは引き続き認められています。

確認すべき主なポイントは「副業の許可申請が必要か」「禁止業種・禁止形態の指定があるか」「競業避止義務の範囲」の3点です。許可制の職場では、事前申請なしに副業を行った場合、発覚時に懲戒処分の対象となるリスクがあります。

就業規則が社内イントラや規程集に掲載されていない場合は、人事部門に直接確認するのが確実です。口頭での「大丈夫」だけでなく、書面での確認・許可取得を推奨します。

参考:厚生労働省|副業・兼業の促進に関するガイドライン

監査法人は副業制限が厳しい傾向にある

Big4をはじめとする監査法人では、副業・兼業に対する制限が比較的厳しい傾向があります。背景にあるのは「独立性の保持」という監査業務の根幹です。公認会計士法および日本公認会計士協会の倫理規則では、監査人が被監査会社と利害関係を持つことを厳しく制限しており、副業の内容によっては独立性を損なうと判断されるケースがあります。

具体的には、クライアント企業への経営コンサルティングや、被監査会社の株式・出資持分の取得などは、独立性の観点から問題となる可能性があります。監査法人に勤務している場合は、就業規則の確認に加え、法人内のコンプライアンス部門や上長への事前相談をするのがおすすめです。

参考:日本公認会計士協会|倫理規則

事業会社・コンサルは許可制が多い

事業会社やコンサルティングファームに勤務する公認会計士の場合、副業は「禁止」ではなく「許可制」としているケースが多く見られます。監査法人と比較すると独立性の制約が緩い分、副業の選択肢は広がりやすい環境です。

ただし許可制である以上、事前申請なしに副業を行えば就業規則違反となります。申請時に確認される主な項目は、副業先の業種・業務内容、稼働時間、報酬額などです。本業に支障をきたさないこと、競合他社への関与がないことが許可の主な条件となるケースが一般的といえるでしょう。

転職時に副業の可否を確認したい場合は、内定後の条件交渉や入社前面談の場で確認するのがスムーズです。副業可能な職場を条件に転職を検討している方は、求人票だけでなくエージェント経由で社内実態を確認することをおすすめします。

公認会計士が副業を始める3つの目的とは

公認会計士が副業を検討する動機は、単純な収入アップだけではありません。本業のキャリアを補完する目的や、将来の独立・転職を見据えた準備として副業を活用するケースも増えています。

目的を明確にしておくことは、副業の種類選びや稼働量の設定にも直結するでしょう。以下の3つの観点から、自分がどの目的に近いかを整理した上で副業選びに進むと、ミスマッチを防ぎやすくなります。

閑散期を活用した収入アップ

監査法人や会計事務所に勤務する公認会計士には、繁忙期と閑散期の波があります。3月決算法人の監査が集中する4〜6月が繁忙期となる一方、それ以外の時期は比較的余裕が生まれやすく、この閑散期を副業に充てる方は少なくありません。

収入アップを目的とする場合、単価が高く短期集中型の案件が向いています。非常勤監査や開示書類チェックなど、スポット対応が可能な副業は閑散期との相性が良い選択肢です。

一方で、閑散期に始めた副業が繁忙期にも継続的な対応を求められるケースもあります。契約前に稼働時間の上限や繁忙期の対応可否をクライアントと明確にすり合わせておくことが、本業とのバランスを守る上で重要です。

本業では得られないスキル・人脈の獲得

監査法人や大手企業に勤務していると、業務の専門性は高まる一方で、携わる領域が限定されやすいという側面があります。副業を通じて異なる業種・規模の企業と関わることで、本業では得にくいスキルや視点を補うことが可能です。

たとえば、スタートアップへの経営顧問や中小企業の会計サポートを副業として行うことで、経営者との直接対話や事業全体を俯瞰する経験が積めます。これは将来の独立や事業会社CFOへの転職を目指す際にも有効な実績となるでしょう。

また、副業を通じて構築した経営者・士業・金融機関との人脈は、本業では接点を持ちにくい層とのネットワーク形成につながります。スキルと人脈の両面での成長を意識しながら副業先を選ぶと、長期的なキャリア価値の向上につながりやすくなります。

将来の独立・転職に向けた準備

副業を「独立・転職の助走期間」として活用する公認会計士も増えています。いきなり独立するリスクを避けながら、本業の収入を維持したまま顧客獲得や業務運営のノウハウを蓄積できる点が、副業を経由した独立の大きなメリットです。

転職を視野に入れている場合も同様で、希望する職種・業界に近い副業を先行して経験しておくことで、面接時に具体的な実績として語れるようになります。たとえば事業会社のCFOポジションを目指すなら、社外CFOや経営顧問の副業経験は有力なアピール材料となります。

ただし、副業で得たクライアントを独立後に引き継ぐ際は、現職の競業避止義務や守秘義務との関係を事前に確認しておくことが必要です。この点については後述の「よくある疑問」も参照してください。

 

公認会計士におすすめの副業7選と報酬相場

公認会計士のスキルを活かせる副業は多岐にわたります。単価・稼働形態・必要な経験値はそれぞれ異なるため、自分の目的や生活スタイルに合った選択が重要です。以下では代表的な7種類の副業について、特徴と報酬相場を順に解説します。

非常勤監査(高単価・短期)

非常勤監査は、監査法人や監査チームが人手不足の時期に外部の公認会計士をスポットで起用する形態です。公認会計士資格と監査経験を直接活かせる副業として、単価の高さが大きな特徴です。

報酬相場は時給換算で5,000〜10,000円程度が目安とされており、繁忙期の短期集中型案件が多いため、閑散期との掛け持ちには向きませんが、高単価で効率よく稼ぎたい方には魅力的な選択肢といえるでしょう。

ただし、監査法人に勤務している場合は独立性の問題から副業としての非常勤監査が制限されるケースがあります。また、被監査会社との利害関係の有無を事前に確認することが必須です。事業会社勤務の公認会計士や、フリーランスへの移行を検討している方に特に向いている副業といえます。

記事執筆・メディア監修(在宅で可能)

会計・税務・財務に関する専門知識を活かして、Webメディアへの記事執筆や監修を行う副業です。在宅で時間の融通が利きやすく、本業の繁忙期・閑散期に合わせて稼働量を調整しやすい点が魅力です。

報酬相場は記事1本あたり5,000〜30,000円程度、監修案件は月額10,000〜50,000円程度が目安となっています。専門性が高いテーマや、公認会計士の肩書きを明示できる案件ほど単価が上がる傾向があります。

注意点として、執筆内容が勤務先の業務や顧客情報と関連する場合は守秘義務への配慮が必要です。また、税務・法律に関する断定的な表現は読者への誤解を招くリスクがあるため、「一般論として」「専門家への確認を推奨」といった表現を意識することが求められます。クラウドソーシングサイトやメディア編集部への直接応募で案件を探せます。

会計・税務サポート(定番)

中小企業や個人事業主の記帳代行、月次決算サポート、税務申告補助などを行う副業です。公認会計士の資格・知識を最も直接的に活かせる定番の副業であり、継続的な顧問契約につながりやすい点が特徴です。

報酬相場は月額顧問料として30,000〜100,000円程度が目安ですが、クライアントの規模や業務範囲によって大きく異なります。単発の決算対応であれば50,000〜200,000円程度の案件が見られることもあるでしょう。

ただし、税務申告業務は税理士法上、税理士資格または税理士登録が必要な行為に該当します。公認会計士は税理士登録を行うことで税務業務を行えますが、未登録の場合は税務代理・税務書類の作成・税務相談を報酬を得て行うことはできません。副業として税務サポートを行う際は、自身の登録状況を事前に確認してください。

参考:国税庁|税理士制度について

社外CFO・経営顧問(高収入)

スタートアップや中小企業に対して、財務戦略の立案・資金調達支援・管理会計の整備などを担う副業です。企業の経営層と直接関わるポジションであり、公認会計士の専門性が最も高く評価される副業の一つです。

報酬相場は月額100,000〜300,000円程度が目安で、関与深度や企業規模によってはさらに高単価になるケースもあります。IPOを目指すスタートアップでは、経理体制の構築や証券会社・監査法人との折衝を担うことも多く、実務経験の幅が大きく広がります。

稼働時間は月10〜20時間程度の契約が多く、本業との両立がしやすい形態です。ただし経営判断に深く関与するため、守秘義務の管理と利益相反の確認は特に慎重に行う必要があります。将来的な独立や転職を視野に入れている方にとって、実績・人脈・経験の三拍子が揃う副業といえます。

予備校・セミナー講師(実績が活きる)

公認会計士試験の予備校講師や、企業向け会計・財務セミナーの講師として活動する副業です。試験合格の実績や実務経験を直接コンテンツとして提供できるため、資格取得後のキャリアが長いほど説得力が増します。

報酬相場は予備校講師で時給5,000〜15,000円程度、企業向けセミナーでは1回あたり50,000〜200,000円程度が目安です。オンライン講義やeラーニングコンテンツの収録であれば、一度制作した教材が継続的な収入につながるケースもあります。

稼働時間が事前に決まっているため本業とのスケジュール調整がしやすく、準備時間を含めた総稼働量を見積もった上で契約することが重要です。また、勤務先の就業規則によっては講師業も副業申請の対象となるため、事前確認を忘れずに行ってください。

開示書類チェック(在宅・期日管理型)

有価証券報告書や決算短信などの開示書類の記載内容を確認・校正する副業です。上場企業の経理・IR部門や、開示支援を行うコンサルティング会社から案件が発生します。在宅での作業が基本となるため、通勤負担なく取り組める点が魅力です。

報酬相場は1案件あたり50,000〜200,000円程度が目安で、書類の分量や確認範囲によって異なります。決算期に集中するスポット型の案件が多く、年に数回まとまった収入を得る形が一般的です。

期日が厳格に定められているため、スケジュール管理能力が求められます。引き受ける際は提出期限と本業の繁忙期が重なっていないかを必ず確認してください。監査経験や開示実務の経験がある方ほど即戦力として評価されやすく、監査法人出身者に向いている副業の一つです。

クラウド会計導入支援(需要増)

freeeやマネーフォワードクラウドなどのクラウド会計ソフトの導入・設定・運用サポートを行う副業です。中小企業のデジタル化需要の高まりを背景に、案件数が増加傾向にあります。会計知識とITリテラシーを組み合わせた専門性が評価されやすい領域です。

報酬相場は導入支援1件あたり100,000〜300,000円程度、運用サポートの継続契約では月額30,000〜80,000円程度が目安です。ソフトベンダーの認定アドバイザー資格を取得することで、ベンダー経由での案件紹介を受けやすくなります。

導入支援は初期設定が完了すれば業務が一段落するため、スポット収入として計画しやすい点も特徴です。ただし運用サポートまで受ける場合は継続的な稼働が発生するため、本業との兼ね合いを考慮した上で契約範囲を設定することをおすすめします。

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公認会計士向け副業案件の探し方3選

副業を始めたいと思っても、案件の探し方がわからず踏み出せないケースは少なくありません。公認会計士向けの副業案件を探す主なルートは、大きく「マッチングサービス」「クラウドソーシング」「人脈・紹介」の3つに分けられます。それぞれの特徴を理解した上で、自分の目的や希望する働き方に合ったルートを選ぶことが重要です。

副業マッチングサービス

公認会計士・税理士などの専門職向けに特化した副業マッチングサービスを活用する方法です。案件の質・単価が比較的高く、守秘義務や独立性への配慮がされた環境で案件を探せる点が強みです。

代表的なサービスとして、ビザスク(スポットコンサル特化)、i-common(士業・専門家向け)、Offers(副業・兼業特化)などがあります。登録時にプロフィールや保有資格・経験を詳細に記載することで、スカウト型で案件が届くサービスも多く、自ら営業活動をしなくても案件獲得につながりやすい環境です。

手数料はサービスによって異なりますが、報酬の10〜30%程度をプラットフォームが徴収する形が一般的です。複数のサービスに登録して案件の質・量を比較しながら絞り込む使い方が効率的といえるでしょう。

クラウドソーシングサイト

クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトは、案件数が多く手軽に副業を始められる点が特徴です。記事執筆・データ整理・会計ソフトの設定サポートなど、比較的小規模な案件が中心となります。

単価は専門職向けマッチングサービスと比較して低めになりやすいものの、実績・レビューを積み上げることで徐々に高単価案件を受注しやすくなります。副業初心者が場数を踏む場として活用するのにおすすめです。

注意点として、クライアントの信頼性や契約条件をプラットフォーム上で十分に確認することが重要です。

守秘義務や成果物の著作権の帰属について、契約前に明確にしておくことをおすすめします。会計・税務に関する案件を受ける際は、業務範囲が税理士法上の制限に抵触しないかもあわせて確認してください。

知人・同業者からの紹介

公認会計士の副業案件の中でも、知人や同業者からの紹介は質・信頼性の面で優れたルートです。クライアントとの信頼関係がすでに一定程度築かれた状態でスタートできるため、条件交渉がしやすく、長期契約につながりやすい傾向があります。

紹介元となりやすいのは、監査法人・会計事務所時代の同僚・先輩、税理士や弁護士などの士業ネットワーク、セミナーや勉強会で出会った経営者などです。日頃から自身のスキルや副業への意欲を周囲に伝えておくことが、紹介案件を受けとる上での基本的な行動です。

一方で、知人経由の案件は口頭での依頼が多く、契約書を締結しないまま業務が始まるリスクがあります。報酬・業務範囲・秘密保持の取り決めは、紹介経由であっても必ず書面で確認することをおすすめします。

副業で失敗しないための5つの注意点

副業を始めること自体はキャリアの幅を広げる有効な手段ですが、準備不足や認識不足が原因でトラブルに発展するケースもあります。本業への影響、職業倫理上のリスク、税務処理など、事前に把握しておくべき注意点を5つに整理しました。副業を検討している方は、案件探しと並行して以下の点を確認してください。

本業とのバランスを最優先にする

副業による収入増やスキル獲得を意識するあまり、本業のパフォーマンスが低下するケースは珍しくありません。副業はあくまで本業を維持した上で成立するものであり、稼働時間・精神的負荷の両面で無理のない範囲に収めることが大原則です。

目安として、副業の稼働時間は週10時間以内に抑えることを推奨する声が多く聞かれます。繁忙期には副業の稼働を意図的に減らす、または受注を一時停止できる契約形態を選ぶことが、長期的に副業を継続する上で重要です。

また、睡眠時間の削減や休日の消失が続くと、判断力の低下や健康面のリスクにもつながります。副業を始めたあとも定期的に本業・副業・プライベートのバランスを見直し、無理が生じていると感じた場合は早めに稼働量を調整することをおすすめします。

独立性のルールに注意する

公認会計士として監査業務に携わる場合、独立性の保持は職業倫理上の根幹です。日本公認会計士協会の倫理規則では、監査人が被監査会社と経済的・人的に利害関係を持つことを制限しており、副業の内容によっては独立性を損なうと判断されるリスクがあります。

具体的に注意が必要なのは、監査クライアントへのコンサルティング提供、被監査会社の役員就任、当該企業の株式保有などです。これらは副業として行う場合でも独立性の問題が生じる可能性があります。

監査業務から離れた事業会社勤務の公認会計士であっても、将来的に監査関連業務へ戻る可能性がある場合は、副業先との関係が将来の独立性に影響しないかを考慮しておくことが賢明です。判断に迷う場合は、日本公認会計士協会の相談窓口や所属法人のコンプライアンス部門に確認することをおすすめします。

参考:日本公認会計士協会|倫理規則

守秘義務・情報管理を徹底する

公認会計士には、公認会計士法第27条にもとづく守秘義務が課されています。業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏洩することは法律違反となり、副業においても例外ではありません。本業で得たクライアント情報や内部情報を副業先で活用することは、たとえ意図せずであっても重大なリスクをともないます。

情報管理の観点では、副業用のデバイスやクラウドストレージを本業と分離して使用することが基本です。副業先から提供された機密情報についても、契約上の守秘義務条項を確認し、適切な管理体制を整えることが求められます。

また、SNSやブログでの情報発信を副業の一環として行う場合も、業務上知り得た情報が特定されるような内容の掲載には十分な注意が必要です。守秘義務は退職後も一定期間継続する場合があるため、その点も念頭に置いてください。

参考:e-Gov法令検索|公認会計士法第27条

利益相反・競業禁止を確認する

副業を行う際は、本業の勤務先と副業先との間に利益相反が生じないかを事前に確認することが重要です。利益相反とは、一方の利益を守ることが他方の利益を損なう関係を指します。たとえば、本業の勤務先と競合する企業への経営顧問や、取引先への直接のサービス提供が該当するケースなどです。

また、就業規則や雇用契約に競業避止義務が定められている場合、同業他社や競合する事業への従事が制限されることがあります。競業避止義務の範囲は契約書の文言によって異なるため、副業内容が抵触するかどうかを個別に確認することが必要です。

判断が難しい場合は、勤務先の法務・人事部門への確認や、労働問題に詳しい専門家への相談を検討してください。副業開始後に問題が発覚すると、契約解除や損害賠償請求に発展するリスクもあるため、事前の確認を怠らないことが肝要です。

税金・住民税の扱いに注意する

副業で収入を得た場合、確定申告と税金の取り扱いに注意が必要です。給与所得者が副業で年間20万円を超える所得を得た場合、原則として確定申告が必要になります。申告を怠ると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。

特に注意が必要なのが住民税です。副業収入が会社に知られるリスクの多くは、住民税の増額通知が勤務先に届くことが原因とされています。確定申告の際に住民税の徴収方法を「普通徴収(自分で納付)」に設定することで、副業収入に係る住民税が勤務先経由で処理されるリスクの軽減が可能です。

なお、副業所得が事業所得に該当するか雑所得に該当するかによって、使える経費や青色申告の可否が変わります。税務上の判断は個別の状況によって異なるため、詳細は税務署または税理士へ確認すると良いでしょう。

参考:国税庁|確定申告が必要な方

副業が禁止されている場合の選択肢

就業規則や職場の方針により副業が認められない場合でも、キャリアの選択肢がなくなるわけではありません。副業を軸にキャリアを広げたいと考えているなら、現職にこだわらず環境そのものを変えることも一つの方向性です。大きく「副業可能な職場への転職」と「独立・フリーランスへの移行」の2つの選択肢があります。

副業可能な職場への転職を検討する

副業を認めている職場への転職は、現実的かつリスクの低い選択肢です。近年は副業・兼業を積極的に推進する企業が増えており、求人票に「副業可」と明記するケースも珍しくなくなっています。

転職先を探す際は、求人票の記載だけでなく、実際の運用実態を確認することが重要です。「許可制」と記載があっても、実態としてほぼ承認されるケースもあれば、形式上は可でも社内の雰囲気から申請しにくい職場もあります。エージェント経由で内情を確認することが、ミスマッチを防ぐ有効な手段です。

ハイスタ会計士では、副業・兼業の可否を含めた職場環境の詳細情報を持つ求人を多数取り扱っています。副業可能な職場への転職を検討している公認会計士・会計事務所スタッフの方は、ぜひ無料相談をご活用ください。

独立開業・フリーランスへの移行を検討する

副業制限のある職場に留まり続けることに限界を感じているなら、独立開業やフリーランスへの移行も現実的な選択肢です。独立すれば就業規則による副業制限はなくなり、複数のクライアントと契約しながら自分のペースで働く環境を自ら設計できます。

独立の形態としては、公認会計士事務所の開設、税理士登録を行った上での税務顧問業、社外CFOや経営顧問としてのフリーランス活動などが挙げられます。いきなりの独立が不安な場合は、転職で副業可能な職場に移りながら顧客基盤を少しずつ築き、独立のタイミングを見極めるという段階的なアプローチも有効です。

独立に向けた準備や必要なステップについては、キャリアの方向性を整理した上で専門家に相談することをおすすめします。ハイスタ会計士の無料相談では、独立を視野に入れたキャリアプランの相談にも対応しています。

公認会計士の副業でよくある疑問

副業を検討する公認会計士から寄せられる疑問は、税務・法務・キャリアなど多岐にわたります。ここでは特に頻度の高い質問をまとめて解説します。個別の状況によって対応が異なる場合があるため、具体的な判断は専門家への確認をあわせてご検討ください。

公認会計士の副業は会社にバレる?

副業が勤務先に発覚する主なルートは、住民税の増額通知、社会保険の二重加入、同僚・知人からの情報漏洩の3つです。このうち最も発覚リスクが高いとされるのが住民税で、副業収入が加算されることで特別徴収額が増加し、経理担当者に気づかれるケースがあります。

対策として有効なのは、確定申告時に住民税の納付方法を「普通徴収」に切り替えることです。ただし、副業収入が給与所得に該当する場合(複数の会社から給与を受けとる形態)は普通徴収を選択できないケースがある点に注意が必要です。

副業禁止の職場で無断副業を行うことは就業規則違反となるリスクがあります。発覚時のリスクを避けるためにも、副業開始前に就業規則の確認と必要な申請手続きを行うことを強くおすすめします。

副業の所得が20万円以下なら確定申告は不要?

給与所得者が副業で得た所得が年間20万円以下の場合、所得税の確定申告は原則として不要です。これは所得税法上の「少額不申告の特例」にもとづくものであり、副業収入が少額の場合の手続き負担を軽減する制度です。

ただし、この特例にはいくつかの注意点があります。まず、確定申告が不要なのは所得税に限られ、住民税の申告は別途必要になる場合があります。副業所得が20万円以下であっても、居住する市区町村への住民税申告が求められるケースがあるため、お住まいの自治体の案内を確認してください。

また、医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税など)の適用を受けるために確定申告を行う場合は、副業所得も含めてすべての所得を申告する必要があります。「20万円以下だから申告不要」と一律に判断せず、自身の状況に合わせた確認をおすすめします。

参考:国税庁|確定申告が必要な方

日本公認会計士協会への届出は必要?

公認会計士が副業を行う場合、日本公認会計士協会(JICPA)への届出が必要かどうかは、副業の内容によって異なります。一般的な業務委託や顧問契約であれば、協会への個別届出は不要なケースが多いです。

ただし、開業登録や業務執行社員への就任など、公認会計士としての活動形態が変わる場合は、協会への変更届出が必要になります。また、監査法人の社員や業務執行社員として新たに就任する場合も届出対象です。

副業の規模や形態が拡大し、事実上の独立開業に近い状態になる場合は、開業登録の要否を含めて協会の規定を確認すると良いでしょう。判断が難しい場合は、日本公認会計士協会の相談窓口に問い合わせることが確実です。

参考:日本公認会計士協会|会員の登録・届出について

副業の収入は月いくらくらい稼げる?

副業の収入は、選ぶ業務の種類・稼働時間・経験年数によって大きく異なります。各副業の報酬相場をまとめると以下のとおりです。

副業の種類 報酬相場の目安
非常勤監査 時給5,000〜10,000円
記事執筆・メディア監修 月額10,000〜50,000円
会計・税務サポート 月額30,000〜100,000円
社外CFO・経営顧問 月額100,000〜300,000円
予備校・セミナー講師 時給5,000〜15,000円
開示書類チェック 1案件50,000〜200,000円
クラウド会計導入支援 1件100,000〜300,000円

副業初期は月3〜5万円程度からスタートするケースが多く、実績を積むにつれて月10〜30万円以上を稼ぐ方も見られます。収入を最大化するよりも、本業とのバランスを保てる稼働量を優先することが長期的な副業継続の鍵です。

監査法人を退職せずに副業を始める方法はある?

監査法人に在籍したまま副業を行うことは、法律上は禁止されていません。ただし、多くの監査法人では副業に対して厳格なルールを設けており、独立性への影響や利益相反のリスクから、実質的に副業が制限されているケースがほとんどです。

在籍中に副業を始めたい場合は、まず就業規則と法人内の副業申請フローを確認することから始めると良いでしょう。許可制を採用している法人では、業務内容・稼働時間・報酬額を申請書に記載し、コンプライアンス部門の審査を経て許可を得る手続きが一般的です。

監査業務への独立性への影響が低い副業、たとえば記事執筆・セミナー講師・開示書類チェックなどは、許可が下りやすい傾向があります。一方で経営顧問や税務サポートは、クライアントとの関係によっては独立性の問題が生じるため、慎重な判断が求められます。

副業で得たクライアントは独立後に引き継ぎできる?

副業で築いたクライアントとの関係を独立後に継続することは、原則として可能です。ただし、いくつかの法的・契約上の制約を事前に確認しておく必要があります。

まず確認すべきは、勤務先との雇用契約や就業規則に定められた競業避止義務の範囲です。退職後一定期間、同業種への関与や特定地域での営業活動を制限する条項が含まれている場合、独立後のクライアント引き継ぎが制限されるケースがあります。競業避止義務の有効性は、制限の期間・地域・対象業務の合理性によって判断が異なるのがポイントです。

次に、副業契約の当事者が「個人としての自分」か「勤務先経由」かによっても扱いが変わります。副業を個人名義で受注していた場合は引き継ぎやすい一方、勤務先が関与していた案件は帰属関係が複雑になることがあります。独立前に契約形態を整理し、必要に応じて専門家へ確認すると良いでしょう。

副業と本業で利益相反が起きた場合どうなる?

利益相反が発覚した場合、状況によっては深刻な結果につながる可能性があります。勤務先との関係では就業規則違反として懲戒処分の対象となり得るほか、クライアントに損害が生じた場合は民事上の損害賠償請求を受けることにもつながりかねません。

公認会計士として監査業務に関与している場合は、独立性の喪失として日本公認会計士協会による調査・処分の対象となる可能性があります。倫理規則上、利益相反が生じた場合は当該業務からの辞退が求められるのが原則です。

利益相反を未然に防ぐためには、副業を始める前にクライアントリストと本業の関係者リストを照合し、重複がないかを確認することが基本です。副業を継続する中で新たな利益相反が生じる可能性もあるため、定期的な見直しを習慣化することをおすすめします。判断に迷う場合は、所属法人のコンプライアンス部門や専門家への相談を活用してください。

公認会計士がやってはいけない副業はある?

公認会計士として避けるべき副業は、大きく「法律上の制限に抵触するもの」と「職業倫理上問題があるもの」の2種類です。

法律上の制限としては、税理士未登録のまま報酬を得て税務申告・税務相談を行うことが挙げられます。税理士法により、税理士または公認会計士(税理士登録済み)以外の者が有償で税務業務を行うことは禁止されています。また、金融商品取引法上の規制に抵触する投資助言や、無登録での貸金業なども避けるべき領域です。

職業倫理上の問題としては、被監査会社への利益相反するコンサルティング提供、守秘義務違反につながる情報の流用、公認会計士の信用を傷つける行為などが該当します。

「高収入だから」という理由だけで副業を選ぶのではなく、自身の資格・立場と整合しているかを常に確認する姿勢が重要です。

副業の開業届は出すべき?出さないほうが良いケースは?

副業で継続的に収入を得る場合、税務署への開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)の提出を検討する価値があります。開業届を提出することで、青色申告の申請が可能になり、最大65万円の青色申告特別控除や赤字の繰越控除などの税務上のメリットを受けられます。

とはいえ、開業届の提出が必ずしも有利とは限りません。副業収入が少額・不定期で、事業所得ではなく雑所得に該当すると判断される場合は、開業届のメリットが限定的です。また、開業届を提出することで「事業を営んでいる」という事実が形成されるため、勤務先への副業申請の際に影響する可能性もあります。

提出の判断基準は、副業の継続性・収入規模・経費の発生状況などによって異なります。税務上の判断は個別の状況により変わるため、詳細は税務署または税理士へ確認すると良いでしょう。

参考:国税庁|個人事業の開業届出・廃業届出等手続

副業を始めるベストなタイミングは?

副業を始めるタイミングに「絶対的な正解」はありませんが、いくつかの観点から判断することができます。

本業の安定度が一つの基準です。転職直後や昇進・異動直後など、本業に慣れていない時期に副業を始めると、どちらも中途半端になるリスクがあります。本業のパフォーマンスが安定し、業務の見通しが立っている状態が副業開始の前提条件といえます。

次に、閑散期・繁忙期のサイクルを踏まえたタイミングも重要です。監査法人勤務であれば、繁忙期を避けた7〜9月ごろに副業の準備を始め、慣れてきたら徐々に稼働量を増やしていく流れが現実的です。

将来の独立・転職を見据えている場合は、「準備に2〜3年かける」くらいの長期視点で始めるほうが焦りなく進められます。副業のキャリア上の位置づけを明確にした上で、タイミングと種類を選ぶことをおすすめします。

まとめ

公認会計士の副業は法律上禁止されておらず、就業規則の確認と必要な申請手続きを経ることで、多くの方が取り組める現実的なキャリア戦略です。非常勤監査・社外CFO・クラウド会計導入支援など、資格と経験を直接活かせる副業は多岐にわたり、目的に合わせて選択できます。

副業を成功させる上で最も重要なのは、本業とのバランスを保ちながら、独立性・守秘義務・利益相反といった職業倫理上のルールを遵守することです。税務処理や住民税の取り扱いについても、事前に正確な知識を持っておくことがトラブル回避につながります。

現職で副業が認められない場合は、副業可能な職場への転職や独立開業という選択肢も視野に入れてみてください。ハイスタ会計士では、副業可否を含めた職場環境の詳細情報を持つ求人の紹介や、キャリアプランの無料相談を承っています。副業・転職・独立のいずれを検討している方も、まずはお気軽にご相談ください。

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ハイスタ編集部

一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。

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