公認会計士の転職
更新日:2022/05/16
公開日:2022/05/14
公認会計士として監査法人や会計事務所で働き始めた後でも、もちろん転職を考えることもあります。ただ、一般的な職業と同じく、きちんと転職計画を立てて、転職先の調査を行っていないと、失敗してしまう隙を作ってしまいます。
本記事では、公認会計士の転職失敗パターンや失敗してしまう人の特徴、失敗しないための方法についてご説明します。これから転職を考えている公認会計士の方は、納得できる転職のためにも、参考にしていただければと思います。
目次
まずは、公認会計士の失敗でどのようなものがあるのかを知っておきましょう。公認会計士の転職での失敗パターン4つについてご説明します。
一番分かりやすい転職の失敗パターンがこちらです。せっかく収入アップや労働時間の減少を目指して転職したにも関わらず、転職先の方が余計労働条件が悪くなってしまったようなパターンです。
給与や労働時間など、求人票に書かれている情報だけを鵜呑みにしてしまうことが、失敗の要因になりやすいです。
特に監査法人は労働環境の改善などに取り組むところも増えてきていますので、どのような取り組みを行っているかまで調べられると良いでしょう。
公認会計士の仕事は監査だけではありませんので、やりたい業務を求めての転職も可能です。しかし、実際に転職してみると自分がやりたかった業務ではない担当に割り振られて、数年のキャリアを無駄にしてしまうような失敗もあります。
例えば、M&Aの案件を多く取り扱っている会計事務所に転職したのに、自分は監査を担当させられたような場合です。こちらも転職時のリサーチ不足と採用担当者とのコミュニケーション不足が要因として考えられます。
一般的な転職でも多い失敗が、人間関係での失敗です。人との相性は、実際に一緒に仕事をしてみないと分からない部分も多いため、大失敗とまでは思わなくても、転職後に人間関係で悩む方も少なくないでしょう。
業務だけに集中できれば良いのですが、必ず人とは関わりがありますので、人間関係で大なり小なりの悩みは出てきてストレスは溜まります。
例えば、初めて監査を迎え入れる会社では、公認会計士の人が浮いてしまうかもしれんし、勢いで成長してきたベンチャー企業では、管理もずさんで不満に思う部分が多く出てきてしまうかもしれません。
目先の状況が辛いと、ついつい目の前のことだけを考えて転職をしてしまいますが、転職は大きな転機ですし、将来にも大きく影響するものですので、自分のキャリアプランの少し先のことまで考えた上で行うべきでしょう。
例えば、目先の給与面の良さややりたい業務だけで転職先を判断してしまうことで、数年後も激務で働き詰めの生活を送ったり、公認会計士でなくてもできてしまうような仕事だけを淡々とこなしているようなことにもなります。
将来自分がどうなりたいのかを転職を機にしっかり考え直して、それに近づけるような転職先を選んでいきましょう。
公認会計士の転職失敗パターンをご紹介しましたが、どのような人が転職の失敗に陥りやすいのでしょうか?こちらでは、転職に失敗しやすい公認会計士の特徴についてご説明します。
公認会計士は激務になることも多いため、なかなか転職活動に時間を割くことができまっせん。
会計士って
やっぱり可能性に溢れてますよとにかく
転職のオファーがたくさんくるしかも、その幅が広い‼️
CFO、経営企画、経理、内部監査、
監査法人、コンサルなどなど万が一、
転職で失敗したとしても
また転職すればいいだけこれは結構最強✨
— K (@K37127078) July 2, 2019
それでいて、公認会計士の資格を持っていれば転職のオファーに困ることはあまりありませんので、その状態に油断して転職先の調査を怠ってしまうことで、失敗の可能性を高めてしまいます。
なかなか自分では情報収集が困難な場合には、転職エージェントなどを活用し、協力してもらいながら転職準備を行っていくようにしましょう。転職エージェントについては、後述にてご説明します。
上でもお伝えしましたが、企業研究と同時に自分自身と向き合うことも大事です。
がハッキリしていないと、転職してもしっくりこない日々を送ることとなります。
自分だけでもできる内容でもありますが、こちらも転職エージェントでヒアリングを行ってくれたり、人と相談することがよく分かってくることもありますので、転職を機にご自身を見つめ直してみましょう。
公認会計士の転職先には様々あります。
現在、監査法人で働いている方も多いでしょうが、他の監査法人への転職も有効です。特にBIG4である、『EY新日本』『トーマツ』『あずさ』『PwC』へ転職できれば、基本的に待遇も良くなる傾向にあります。
順位 | 法人名 | 平均年収 | 平均年齢 |
1位 | PwCあらた有限責任監査法人 | 810万円 | 32歳 |
2位 | 有限責任監査法人トーマツ | 806万円 | 35歳 |
3位 | 3位 EY新日本有限責任監査法人 | 770万円 | 34歳 |
4位 | 有限責任あずさ監査法人 | 763万円 | 33歳 |
参考:公認会計士の年収|マイナビ会計士
主に個人や中小企業を顧客に持つ会計事務所では、監査メインではなく、会計業務や税務、コンサルティングなど幅広い仕事を行うこととなります。
将来的に個人や中小企業を対象として活躍したい方は、会計事務所への転職も検討されると良いでしょう。幅広い業務への対応力と人脈を構築することが期待できます。
公認会計士資格はコンサルティング会社からも非常に重宝される存在です。将来的に上場を考えている会社に対して適切なアドバイスができますし、会社法や経営学なども高いレベルで持ち合わせていますので、普段の経営やコンプライアンスのアドバイスもできます。
数字と向き合う仕事よりも、人と接したり成果を求める働き方を望んでいる場合には、このような働き方もできるでしょう。
公認会計士の資格を持って、一企業の財務・経理部の中で働く方法もあります。将来的には役員に近い形に招き入れられ、自らが会社を引っ張って行く体制を作ることもできるでしょう。
事業に共感できる会社があれば、経理や財務などで裏方から協力し、会社の成長発展に貢献することもできます。
公認会計士になりたてでいきなり独立する方も稀ですが、最終的には会計事務所やコンサルティング会社を立ち上げて独立する方もいます。
独立すれば収入も不安定にはなりますが、反面、青天井にもなり普通の公認会計士よりも稼げる可能性も秘めています。働き方もある程度自分でコントロールでき、家庭などとのバランスも調整しやすくなります。
公認会計士の転職で失敗しないためには、以下の点に気を付けて準備を進めていきましょう。
【関連記事】転職に成功する人が必ずやっていることとは?失敗しない転職のしかた
監査業務は繁忙期がはっきりしているため、ひと段落付く6~8月に転職を完了させられるように、前もって準備しておきましょう。
転職活動を行う年の1月頃から転職エージェントに登録して情報収集などを始め、繁忙期を乗り切った後の6月からは一気に転職活動に力を入れていくようなスケジュールです。
繰り返しになりますが、情報収集は多ければ多いほど失敗を防いでくれます。ただ、日々の仕事を行いながら情報収集まで徹底することは、とても時間が足りません。
後述にてご紹介するような、信頼できる転職エージェントサービスを利用しながら、できる限り負担をかけずに情報収集していきましょう。
特に中小企業やベンチャー企業の情報収集は慎重に行いましょう。言い換えれば、当たりはずれが多い転職先候補になりますので、情報不足で賭けのような形で転職することは失敗の元です。
公認会計士だからリスクが無いからと言って、安易にベンチャーに行くのはお勧めしない。何故なら大半が失敗し、その場合はレジュメが汚れるだけ。職は見つかるが、キャリアダウンになって勿体ない。メルカリの様な勝ちが見えているベンチャーを選ぶのが良い。#公認会計士 #ベンチャー #転職
— 鷹津 (@hedgefund30m) October 23, 2019
しっかり情報収集した上で、会社の事業内容や将来性、経営者の姿勢などを判断した上で、それでも共感できるようであれば、応募・面接などへ進んでいきましょう。
監査法人の離職率が高いのは事実だけど、ポジティブな理由で転職する人も多くて、労働環境が劣悪過ぎるほどでは無いと思うんですよね。今も人手不足気味だから、転職したけど合わなくて、戻ってくる人なども普通に見かける。ある程度の経験値があれば、監査法人以外にチャレンジして失敗しても(続く
— クロ/会計士 (@cpakuro) February 24, 2021
どの職業にも言えますが、退職では円満退職を心がけましょう。万が一転職に失敗した時の保険と言ったら失礼ですが、変な退職のしかたをしていなければ、今いる会社から再びお声をかけられることもあるでしょう。
円満退職のためには、前もって計画を立てておき、きちんと引き続きを行った上で、業務がひと段落した時期に退職をしていきます。
何度かお伝えしているように、公認会計士の転職を失敗させないためには、転職エージェントを活用することを強くおすすめします。
公認会計士のように、高待遇で専門性の高い求人は一般にはあまり出回っていませんし、交渉次第ではより良い条件にも近づけることもできます。
転職エージェントを利用することで、主に以下のメリットを得ることができます。
最後に、公認会計士におすすめの転職エージェントをご紹介します。以下のリンク先でさらに詳しく、合計7つの転職エージェントをご紹介していますので、気になる方は参考にしてみてください。
一般的には、転職エージェントは2~3社は登録し、その中でも求人の良さやレスポンスの早さ、担当者との相性が良かったところをメインとして利用してく形となります。
エージェント名 | 特徴をひとことで言うと |
ハイスタ会計士 | 公認会計士経験のある方専門の転職サイト。求職者と企業担当をアドバイザー1人が担当する一気通貫だからミスマッチがない。監査法人・事業会社(上場準備中)の求人多数。 |
マイナビ会計士 | 公認会計士・試験合格者向け転職エージェント。無資格者・経理未経験でも利用でき、業界に詳しいキャリアアドバイザーも在籍。 |
REXアドバイザーズ | 会計士・税理士特化の老舗エージェント。 |
ジャスネットキャリア | 会計事務所やコンサルティングファーム、税理士事務所への転職に強い。 |
Ms Japan | 経理・財務、人事・総務、法務、経営企画などの管理部門・士業の登録ナンバー1。 |
基本的にどの転職サイトも公認会計士・経理人材に強いのですが、
がおすすめです。
私たちハイスタ会計士は、公認会計士・事業会社への転職に特化した専門エージェントです。
もともとは弁護士業界に特化したネットワークに強みを持っているため、士業関係者の転職ノウハウや業界ならではの勘所を抑えた提案が可能です。また、大量の求人を送ってくるだけのエージェントとは違い、ひとりひとりに合った、『活躍できる環境』の提供に重きを置いているため、ミスマッチのない転職をすることができます。
監査法人からの転職、事業会社でのCFO候補など、IPO準備中企業やハイクラス求人特化の転職が可能ですので、スキル・強みを活かした転職活動を進めることができます。
公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/
ご存知マイナビグループが運営する、公認会計士の転職に特化した転職エージェントです。マイナビ会計士の強みは、利用者一人ひとりに合わせて行う丁寧な転職サポートを心がけているところです。
会計士の転職に精通したキャリアアドバイザーが、一から丁寧に大事なポイントを説明してくれるため、はじめて転職する人でも安心して利用できます。
また、高い知名度と独自のネットワークにより、全国の会計事務所・税理士法人から、事業会社、コンサルティングファームまで、幅広く求人を扱っています。
対応エリア | 全国対応 |
公開求人数 | 800件以上 |
営業時間 | 平日9:30~20:30土曜日9:30~17:30 |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公式サイト | https://cpa.mynavi.jp/ |
REXアドバイザーズは、会計士・税理士・管理部門経験者の転職に特化した転職エージェントです。
会計業界で豊富な実績を持つREXアドバイザーズ。転職サポートの充実や、利用時の転職成功率でも利用者から高評価を受けております。
30~50代の経験が豊富な方の紹介を得意としておりますが、20代でキャリアアップを目指す有資格者の利用者も多いです。
求人紹介、キャリアカウンセリングはもちろん無料なため、情報収集も兼ねて一度登録してみることをおすすめします。
公式サイト:https://www.career-adv.jp/
「ジャスネットキャリア」は会計、税務、経理・財務分野に絞って、サービスを提供している転職エージェントです。豊富な取り引き実績 による信頼性の高さから、保有する求人数は業界トップクラス。20代から40代以上まで、さまざまな年代に合わせた求人情報の提供が可能です。
これまで数多くの会計士の転職を支援してきたことから、転職活動で大事なポイントを熟知しており、転職活動に関する多くの知識やノウハウが得られるでしょう。
対応エリア | 全国対応 |
公開求人数 | 2,500件以上 |
営業時間 | 平日・土曜日9:00~18:00 |
運営会社 | ジャスネットコミュニケーションズ株式会社 |
公式サイト | https://career.jusnet.co.jp/ |
MS-Japanは、経理・財務、人事などの管理部門と、弁護士、公認会計士、税理士等の有資格者に特化した専門型転職エージェントです。
業界No.1の利用実績を誇り、創業より25年間で、のべ20,000名以上の方々の転職をサポートしています。
MS-Japanの利用者が多い理由は、専門分野の転職に対する質の高いサービスあってこそです。MS-Japanが独自に行ったアンケートでは、90%を超える人が再度利用したいと答えており、名実ともに業界No.1の転職エージェントといえるでしょう。
対応エリア | 全国対応 |
公開求人数 | 5,000件以上 |
営業時間 | 平日9:00~20:00土曜日10:00~19:00 |
運営会社 | 株式会社MS-Japan |
公式サイト | https://www.jmsc.co.jp/ |
公認会計士の転職の失敗として良くある内容は、主に以下の4つです。
公認会計士ということで、転職先が決まらないということはあまりないでしょうが、情報収集が不足しており、上のような失敗をしてしまうケースがあります。
まずはなんと言っても準備と情報収集ですね!
しかし、日々の業務を行いながらの転職活動となると、時間が足りない場合が多いでしょう。転職エージェントを上手く活用しながら、失敗しない転職活動を行っていってください。
edit_note この記事を書いた人
一般事業会社の経理・財務・CFO候補に加え、監査法人・会計事務所への転職支援サービスも充実。転職成功事例や充実したサポート体制をお約束します。
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